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91輪目 ページ45

「はぁ。小学生って…」
「亜麻野さん?」
小学生扱いされたことに少なからずショックを感じていると、声をかけられる。

「黒子くん。あれ、1人?」
「はい。」
どうやら、一緒にいたさつきちゃんも取材陣の餌食になってしまったらしい。黒子くんは気付いてもらえなかったのかな?

「黒子!」
すると、はつらつとした声が響いた。

「あ。」
「うぉー、久しぶり!!」
そう言って黒子くんの肩に手を回す彼。どうやら知り合いのようだ。

「荻原くん。」
「2年ぶりだな!」
「お久しぶりです。」
「おー、ホントだ。帝光じゃーん!改めて見るとすげぇな、やっぱ!…あれ、アンタは…」
不思議そうにこちらを見る彼に挨拶をする。

「はじめまして。帝光バスケ部マネージャーの亜麻野ミケです。」
「俺は荻原シゲヒロ。よろしくな!」
にかっと笑いながら手を差し出す彼。その手に握手しながらずっと気になっていたことを伝える。

「うん。よろしくね。…あの、ご飯粒ついてるよ。」
「あ、いけね。昼のだ。」
「相変わらずですね。」
ひょいっとご飯粒を取りながら笑う荻原くん。

「ははっ、まぁな。…いざ会ってみると何を話していいか分かんねーな!」
「そうですね。」
彼の言葉にふふっと笑う黒子くん。もしかして彼が約束をした親友なのかな?

「けどまぁ…楽しみにはずっとしてたんだ。ホントだぜ!やるとしたら決勝だな。絶対に勝ち上がってみせる。」
「僕もです。頑張りましょう。」
「うん。…それじゃあな。」
そう言ってチームメイトの方へ向かっていく彼。

「ひょっとして、約束をした親友って…。」
「はい、荻原くんです。」
「そっか。…なんだか似てるね、青峰くんと。」
ぽつりと思った言葉が口からこぼれた。

眩しい笑顔に、バスケが楽しくて仕方がないという様子。会ったばかりの頃の青峰くんにそっくりだ。

「…はい。本当に。」
「また、あんな風にバスケを楽しんでくれるかな。」

最近の青峰くんの様子を思い浮かべる。つまらなそうに、気怠そうにプレーする彼を。

「大丈夫ですよ。きっと、彼より凄い人なんてすぐに現れます。」
「…ふふっ。たしかに。」
少し挑戦的な黒子くんの物言いに口元が緩んだ。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時

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