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88輪目 ページ42

白金監督が指揮を取ってから数週間後。遂にその日を迎えることになる。

全国中学バスケットボール大会地区予選初日。

「対する角岡もいいチームだが…未だ全国出場はない中堅校。正直帝光にとっては油断したとしてもまず負けない相手だが…。言うことは1つだけだ。獅子搏兎、どんな相手だろうと全力で勝つ。それが戦いの礼儀だ。」
監督の言葉で空気が引き締まるのを感じる。

「これより帝光中学校対角岡中学校の試合を始めます。」
試合開始のアナウンスが鳴り、スターティングメンバー達が腰を上げる。

「行け。」
「「「おう!!」」」
短くも鋭い監督の檄に答えながら、コートに向かう彼ら。

遂に幕を開けた全中。その初戦を見守る緊張と期待を感じながら、ベンチに腰を下ろす。

初戦が始まる。




試合中盤、点差は帝光が大きくリードしていた。

「うぉぉー、帝光全開!!容赦なし!」
「そしてウワサ通り例年を遥かにしのいでる…」
「今年の帝光はケタ違いに強い!!」
観客席からの声もそれを現していた。

「帝光、選手交代です。」
そしてここで黒子くんと黄瀬くんが交代になる。黒子くんの公式戦デビューは今日が初めてだったはず。

「…は、誰?」
「ウスッ。」
「あれも帝光!?」
途端にざわつく周囲。

「いってらっしゃい。黒子くんの力を見せつけてきてね。」
「はい。見ていてください。」
そう微笑む彼は以前のように震えてはいなかった。子鹿のように緊張していた時が懐かしい。

彼がコートに入った瞬間、"幻の6人目"にどよめく周囲。

「うおりゃ!」
黒子くんのパスを受けて青峰くんがアリウープを決める。拳を突き合わせる2人はとても嬉しそうで、眩しい。


帝光中学校、全国中学バスケットボール大会地区予選初日を突破。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時

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