38輪目 ページ40
合宿の日々はあっという間に過ぎていき、遂に最終日を迎えた。しかし、今日はいつもと少し違うようだ。朝食後、全員が体育館へ集められる。
「どうして集められたのかな?」
「全然分かんないよね。」
さつきちゃんと集合の理由を話していると、真田コーチが前に出た。
「合宿も今日が最終日だ。しかし、急遽体育館の整備が入ったため今日はオフとする。…まぁ、せっかく海に来ているんだ。海水浴でも楽しむと良い。以上だ。」
その言葉を皮切りに沸き立つ声。
今日は夕食前に帰るので炊事の仕事もない。どうやって過ごそうかなと考えていると、
「ねぇねぇ、ミケちゃん。せっかくだし、海で遊ばない?」
笑顔のさつきちゃんに誘われる。
きらきらとした笑顔が眩しいが、その言葉に冷や汗が流れる。
ま、まずい。
「う、う〜ん。でも、外は暑いし…。」
断ろうとすると、見知った姿がこちらに来ていた。
「さつき、亜麻野!」
「大ちゃん。」
「お前らも海に行くなら一緒に行こうぜ!いいだろ、赤司?」
笑顔で提案する青峰くん。どうやら、いつものメンバーで海水浴をするつもりらしい。
「もちろん。」青峰くんの言葉に、赤司くんは微笑んでいる。
「ミケちゃん、楽しそうだし行こうよ!」
「あ、あはは。そうだね…。」
にこにこと笑うさつきちゃんに手を引かれて、私は諦めた。
絶対にバレないようにしなければ!
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時