メカクシ団の副団長さんはキドの姉[カゲプロ] (ページ21)

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１９話ページ21

『…はあ』

「ご、ごめんなさいっす…」

は？

『何を謝ってる？』

「だって、さっき皆に会ってから３２回目のため息…っすし」

オドオドしながらこちらを覗き込むセト

というか、３２回って細かいな、数えてたのか←

『セトに怒っては無いが、あいつらとはちょっとしたゲームをしててな…さっそく正体がばれるとは思ってもいなかったが…』

「ごめんっす…」

セトは相変わらずしょんぼりしている

『だが、別に全てがばれたわけでもない』

「そうなんすか？な、なら良かったっす…」

『ああ、別にセトが気にしなくても大丈夫だ。あいつらと友達でも別に気にはしない』

「…！はいっす！」

あ、やっぱり友達でいるのを気にしてたか

セトの周りはさっきよりも嬉しそうな雰囲気が漂い、セト自身が笑顔だ

「あっ、ワカバワカバ！」

『何だ？』

「今日の夕飯は何っすか？」

『今日は団長がつくってるぞ、多分材料的に肉じゃがだ』

「おー、肉じゃがっすか！」

『お前は何でも喜ぶけどな』

「やっぱり二人の作るご飯、好きっすもん！」

ニコニコ笑うセトの顔には、全く嘘がない

いや、カノも俺の前では嘘つかないけどな？
(ばれるから)

でもセトは素で、誰にでも嘘つかないよなー

『お前ホント、良い性格に育ったよな』

「なんすか、それ？」

意味が分からないらしく、聞き返される

『いや、あんなコミュショ―だったのに友達も出来て…こんな明るい性格になれるなんてなー』

「いやワカバ、俺の親みたいになってるっすよ」

数年前までは姉だったけどなー

あ、重要ポイントは姉な

俺が上の位置にいる！←

『まあ気にするな』

「別に…何も気にしてないっすよ」

『ふーん』

「(まあ…俺のコト見てくれてるのは嬉しいっすけど…)」

『あっ、そうだ。あのカラフルらに伝えてほしいんだが、俺しばらく学校には来ないからって、もし今度会うなら言っておいてくれ』

「な、何でっすか…？」

『ちょっとしたゲームをしてるって言ったろ？だから伝えておかないとフェアじゃねーよ』

「(昔からよくわからない所にこだわるっすねー…)」

お、そろそろ商店街に着くな

今頃カラフル達が俺の性別について話し合っているのかと思うと、面白可笑しい気持ちにならずにはいられなかった

(ワカバ、ホントにみんなとは知り合いっすか？)

(知り合いっつーか、ほぼ他人)

(そ、そうっすか…(これはこれで複雑っす……))

　