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不器用だけど ページ36

「…しのぶさんを呼んで来ますね」


この雰囲気に耐えられなくなって席を立った。
廊下に出ようとした瞬間、足が止まる。


不器用な義勇さんが私に気持ちを伝えた。


「義勇さん」


人の気持ちを簡単に終わらせたらだめだと思う。


「ありがとう」


こんな私を鬼の私を人間と同じように好いてくれた義勇さん。

振り返って笑顔を見せると義勇さんも優しい雰囲気に変わった。


「…覚悟しておけ」


そう言った義勇さんはまた布団の中に入った。

覚悟しておけって何を?って感じだけど
義勇さんが楽しいならなんでもいいや。








義勇 side


本当は伝えるつもりはなかった。
答えは分かっていたからだ。


「義勇さん?」


顔を覗き込んでくるAが無性に愛おしくて。


「…好きだ」


気づけば顔を上げてそう伝えていた。


「え?あ、はい…」


理解していない顔で離れていくA。


「俺が責めなかったのも庇ったのもAだからだ」


「…私、だから?」


「他の奴ならしない」


まだ理解していないみたいで。


「…だから、」


自分が不器用なのは分かってる。
それでも伝えたくて。


「A」


目を逸らしたAの頰に触れて視線を戻した。


「俺はお前をひとりの女性として好いている」


どうしてもいいたいと思った。
隠しきれないこの想いを。

しばらくすると顔を赤くしたA。


「え、え…わ、私ですか?」


「ああ」


「…その、お気持ちは嬉しいですけど」


困らせたいわけじゃない。
そんな顔をしないでほしい。


「…えっと、」


俯くA。


「…出来ることならお前と共に過ごしたかった」


俺を同じ形で愛して欲しかった。


「A、お前の気持ちは分かってる」


寂しくて虚しくて、失恋を知った。


「…しのぶさん呼んで来ますね」


そう言って立ち上がったAを止める資格は俺にはない。


「義勇さん」


だけど立ち止まって俺の名前を呼んだ。


「ありがとう」


そう言って振り返ったAは愛おしくて


「…覚悟しておけ」


必ず惚れさせてみせる。
俺にはAしかいないから。


この世でたったひとり、初めて愛した人。


俺は何があってもAの味方でいると誓う。

【番外編】キメツ学園、←不器用だけど



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作者名:enen♪ | 作成日時:2020年3月29日 12時

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