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｢お前は何でそう……何でそうなんだ！？｣
探偵社に戻って一番最初に出迎えたのは、Aが消えたと呼び出された中原だった。その後ろでは、横光が苦笑いを零し、ルイスは｢どこ行ってたの〜？｣と中原の後ろから彼女に声をかけている。
｢普通にお茶して、特務課の安吾さんとお話してきただけなんだけど。｣
｢なんの為に俺らがお前を探偵社に預けてると思ってやがる！！朝から糞鯖の顔面拝まなきゃなんねぇし最悪だわ！！！｣
｢私だって蛞蝓の顔なんて見たくないんだけど。｣
｢あ"ぁ"ん！？｣
｢貴女方が啀み合うのは構いませんけど、それよりももっと重要なことがありますわ！！A、貴方敦さんと何がありましたの！？何か如何わしいこと！？｣
｢ナオミさん語弊があります！！！！！｣
隅っこで三角座りをしたままの中島がそう叫んだ。｢そうだ、思い出した、あの控書は一体なんなんだい｣と、次は太宰が彼女に詰め寄った。
｢何があったんだい？何をされたんだい？いや、むしろ何したんだい！？｣
｢あ？おい何の話だ。｣
｢何も聞いていませんが……｣
｢先生またなんかやらかしたの〜？｣
｢そんな私がいつもやらかしてるみたいな言い方しないでくれる？｣
｢この控書だよ。｣
そう言って江戸川が差し出したのは、先程医務室で発見された控書だ。全員がそれを覗き込み、｢お前まじか……｣という目で彼女を見た。
｢おま、お前……真逆あの初心そうな中島さん相手に色仕掛けしてまで外に……｣
｢だってトシちゃん仕方ないじゃない！本当は私だってこっそり出て行きたかったんだけど、中島さんってば予想していた時間の十五分前に来たんだもの！そしたら咄嗟に……でも、中島さんも中々に積極的で……｣
彼女は態とらしく頬を赤らめると、両手で頬を包み、まるで恥じらう乙女のような仕草を見せた。
｢敦くん私とお話しようか。｣
｢人虎、手前の首は俺が取る。｣
｢誤解ですよ！！！Aさん嘘やめてください僕の命が！！！！｣
｢どう考えてもその初心な中島さんに私を襲う勇気ないでしょうに。｣
彼女は飽きてしまったのか、いつの間にか平然とした様子でお茶を飲んでいた。太宰と中原に挟まれて見下ろされる中島は、ガクガクと震えている。どちらも般若である。
｢とりあえず話すから中島さんに詰め寄るの辞めてあげたら？｣
それを見兼ねて止めたのは、意外にもAだった。
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2022年3月31日 8時
