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鼻に来る薬品の臭い。あぁ、助かったのか。助かったと言うのに、どこか他人事のように考えながら、彼女はゆっくりと目を開けた。





「は……?」





がばりと体を起こし、辺りを見渡す。そこに広がる光景は、あまりにも見覚えが無さすぎる光景だった。本部の医務室ではない。どこかの診療所のようなその作り。傷口も痛まない、と言うより完治していた。そこから考えられる選択肢はひとつ。





「武装探偵社……?」

「御名答。目覚めたばかりでよくそんなにも頭が回るもんだね。」





こつり、こつりとヒールの音を響かせて、一人の女性が彼女に近づいた。





「気分はどうだい。ポートマフィア準幹部森A。いや、太宰Aの方がいいかい?」

「………あなたの一言でそりゃもう最悪ですよ。次そんな巫山戯たこと抜かすようなら首の骨ポッキリ折ってやりますよ、与謝野晶子さん。」

「ふふっ、恐ろしいことを言う子だねぇ。起きて早々気分が悪いだろうけど、あんたの嫌いな太宰を呼ばせてもらったよ。もうすぐここに来るさ。」





彼女が舌打ちをするのと同時に、医務室の扉が音を立てて開いた。あぁ、来てしまった。思わずため息を着く。





「与謝野女医、、!Aは……!」

「落ち着きな太宰。このとおり、目が覚めてるよ。」

「A……!」





必死な顔をした太宰に、彼女は心底不思議でならなかった。敵同士だと言うのに、そこまで心配する必要があるのか、と。





「……なんの心算か聞いてもいい?誰よ私をここに連れてきたの。」

「……私だよ。敦くんがAを見つけてね。急いで与謝野女医に見せたんだ。」

「言わなかった?気安く名前を呼ぶなって。」

「私が付けた名だ。どう呼ぼうと構わないだろう?」

「じゃあ今ここで改名してやるわよ。」

「それでも私は、君の名前を呼び続けるだろうね。」

「……あんたに名前を呼ばれるだけで虫唾が走るようだわ。気色の悪い。」





太宰の傷ついたような顔から目を背けるようにして、彼女は目を瞑って天を仰いだ。なんでそんなに傷ついたような表情を浮かべるのか。自分で捨てたくせに。そう言ってやりたかったのを、何とか押しとどめた。

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あっきーばか(プロフ) - 初コメ失礼します。志賀くんタイプで性癖です。嫁にください。この作品の推し志賀くんになりました!読んでいてとても面白い作品をありがとうございます‼️更新頑張ってくだせぇ (2022年3月27日 10時) (レス) @page20 id: 43feeb5241 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - 妹系大好きです!太宰さんとすれ違っている感じの夢主ちゃん、気持ちわかる…!!別小説なんですが、おっかな妹とかすっごく好きで!!現在は更新停止になっているようですが、また再開するのを楽しみにしています!!あと!反社とJKも大好きです!応援してます!!! (2022年2月10日 18時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!夢主ちゃんかっくいいぃぃぃぃぃぃい!もはやこの作品での推し夢主ちゃんかもしれない、、、←更新楽しみにしてます! (2022年2月10日 2時) (レス) @page46 id: eaf6e1fdb7 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 花蛸花さんが文スト作品を書いてくれるなんて思ってもいませんでした!しかも太宰さん!嬉しいです!!😭✨更新頑張ってください!!! (2022年2月2日 11時) (レス) id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年2月2日 2時

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