反社(本業)とJK-2【東リべ】

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望月に、なるべく、そう、なるべく普通の格好でお願いします。という事を伝えた翌日。蘭は相手が望月であるため特に心配した様子もなかったが、何かあったらすぐに連絡するようにと彼女に伝えて家を出た。

結果的にいえば、佐野は明司と相談して一月一日のみ幹部たちの完全な休暇を言い渡した。その代わりその日までに仕事を片付けろという条件付きである。まぁ、そんな事は分かりきっている事だったので、今までにないくらいキリキリ働いているらしいが。

そのことを聞いたAは、昨晩のうちに買うものをリストアップしておいた。現在は望月の運転するロールスロイスの中である。世間的にはカナリンと呼ばれているであろうそれは、真っ黒な車体で写真で見るよりもごつくて、なんというかまさに望月のような渋くてごつくてかっこいい男の乗る車なんだなと思ってしまう。





｢なるべく普通の格好って言われたが、なにしろ見た目がこれだからな。多少の輩感は許せよ。｣

｢まぁ、何となく分かってましたし……お願いしたのはこちらなんですから、私は気にしませんよ！ただその……モッチーさん失礼ですけど職質とか……｣

｢あぁ、まぁ……それなりにはあるな……むしろうちの幹部で職質受けたことねぇやつそうそういねぇよ。どんなに一般人に溶け込もうとしても、体格とか顔つきで輩認定されちまうからな。逆にボスはねぇんじゃねぇか？あいつは迂闊に外に出らんねぇから。出たとしてもサツに見つかるような場所には行かねぇし。｣

｢やっぱり……｣

｢一応偽造の身分証明書があるから安心しとけ。あとはまぁ……何かあれば俺らは親子ってことで通すぞ。｣

｢はい！｣





やはり反社。対策はしっかりとされているらしい。まぁこれだけ大きな組織の幹部なら当たり前といえば当たり前ではあるのかもしれない。

望月の運転は見かけによらず静かで落ち着いたものだった。荒い運転はしないし、交通法もしっかり守っている。下手に停められて面倒なことになるのを避けたいのもあるだろうが、なにしろ彼女が隣に乗っているし、車に傷をつけるのも避けたい。

彼女に指定されたデパートの駐車場に車を停めて中に入ると、彼女は迷うことなくカートを押してリストアップされたメモを開いた。他に並んだ服や雑貨には目もくれずに、だ。さすがしっかりしてるよな、なんて思いながら、望月は彼女の後ろをついていった。

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