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「おっまえ……やっべぇな?」
「これ、前身ブランド物だぞ……」
「そういう勇作もブランド物じゃん?」
「俺のはジャケットだけ。桁が違うんだ、桁が。Aの今持ってるバーキンでこれ二着は買えるぞ。」
「え、そうなの……!?」
次の日、待ち合わせ場所に向かえば、Aの服装に各自が驚きの声を上げていた。同じくAも、それは先日のショッピングで蘭が買ったものだったので、値段すら詳しく知らなかったのだ。せっかく友達と出かける上にお兄さんにも会うならオシャレしないとね〜なんて言いくるめられて前身ブランド物で着飾られたのだ。
「でも、Aにすっごく似合ってる!可愛い!」
「あ、ありがとう……!」
「大丈夫?いつもみたいに抱きついて……」
「そんな簡単に汚れないよ……」
「じゃあ遠慮なく!!!」
本庄は嬉しそうに笑みを浮かべると、Aに抱きついた。可愛いが二人、抱き合っている。これは撮らねばと思った槇島は、すかさずスマホを二人へと向けた。
「あの人の牽制もやばすぎだろ……こんだけブランド物に身を包んでたらチンピラなんかに狙われないか心配だな……なるべく離れるなよ?」
「そこいらのチンピラ風情ならこいつ一人でも対処しそうなもんだけどな。」
「ばか、詳しく仕事は知らないけど、あの人は絶対カタギじゃない。そんな男怒らせてみろよ。」
「うーわ……」
「なるべく俺らで守るぞ。」
「それがいいわ……」
二人は目を見合せたあと深く頷いた。まだ抱き合っている二人に声をかけて、30分後やっとこさそこから移動する。
「この前言ってたカフェ!Aの好きそうなパンケーキあったよ!」
「ほんと!?」
「早く行こ!」
「はしゃぐと転んじまうぞ。」
「予約してあるから焦らなくても席は埋まらないよ。」
彼女達を真ん中にして歩く、もしくは彼女たちの後ろを着いていくかの二択になる彼らは、今日も大人しく二人の後ろを着いていく。どちらも顔がいいので放っておくとすぐ声をかけられる。そんなことを言ってはいるが、男二人も顔がいいので直ぐに声をかけられてしまうわけだが。
「後で写真撮らない?」
「うん!あ、蘭さんにも送っていい?」
「まじで二人ラブラブじゃん♡」
リア充らしい会話を聞いて、「俺はいつになったらまともな女の子と付き合えるのかな……」と肩を落とす久井の背中を、槇島は哀れみの目を向けながらそっと撫でた。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時