反社(本業)とJK【東リべ】

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散歩だって行ける日は必ず二人一緒だ。もし無理そうな時は部下にたのんで遠巻きに監視を頼んでいるし、彼女のスマホにもGPSアプリを入れた。何かあった時のために、と彼女に許可を得たわけだが、彼女は嫌な顔一つせずにそれに了承した。少なからずとも行動を把握されることに対して嫌悪感はないようだった。

食事の準備はほとんど彼女だし、掃除に関しても蘭はからっきしダメなので自然と彼女の仕事になる。それでも、以前よりは家事に積極的になったと思う。ごみ捨ては蘭の担当だし、出来る日には風呂掃除も進んでするようになった。最初は何をしていいやら、と首を傾げていたが、Aと二人でやっていくうちに何となくできるようになってきた。

それを聞いた竜胆は、もちろん椅子からひっくり返ったし、兄が偽物じゃないかちゃんと確認しにいった。殴られた。





｢Aちゃーん、風呂掃除終わった。｣

｢ありがとうございます！｣

｢俺偉くね？｣

｢はい、すっごく偉いです！｣





ワックスで固められたままの髪を崩さないように頭を撫でれば、蘭は満足そうに笑う。正直、これがして欲しくて風呂掃除をしている。一生懸命背伸びをして手を限界まで伸ばす姿が可愛くて、思わず腰を屈めるのを忘れてしまう。





｢今日は一緒にお散歩行こうなぁ〜｣

｢蘭さんは休んでてもいいのに……疲れてません？｣

｢疲れてねぇよ〜Aちゃんとレオの顔みたら疲れなんて吹っ飛んじまうからなぁ〜｣





すりすりと頬を寄せれば、Aはんふふ、と小さく笑みをこぼす。可愛いよなぁ、可愛いわ、うん。と一人心の中で納得していると、レオが自分も混ぜろと言わんばかりに足元に擦り寄ってくる。

蘭はレオの頭に手を伸ばすと、わしゃわしゃと撫で回した。





｢今日は俺がブラッシングしてやるからな〜｣





蘭の言葉に、レオはわふ、と小さく吠えた。レオは満足したのか、軽快な足取りで二人から離れると、ぷぴぷぴと音の鳴るボールを噛んであそび始めた。

ここに来て、レオは以前よりも伸び伸びとした性格になったと思う。それが嬉しくて、Aはレオを見る度に笑みがこぼれた。

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