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『賢いお前なら分かってんだろ。立場上、お前は俺の娘だ。それだけでも十分危険な目に合う。それに加えて、灰谷蘭の女だって他に知れてみろ。もっと危険になる。そいつだって長生きなんて到底出来ねぇ。明日には死んでるかもしれない。お前も巻き込まれるかもしれない。それをちゃんと覚悟しろ。反社の女になるってのはそういうことだ。いいな?』
「は、はい!」
『ん、いい返事だ。俺からは以上。蘭、そいつを頼むぞ。』
「誰に言ってんだよ。俺だぞ。」
『何カッコつけてんだこのドブス!!!俺ァ認めてねぇからなァ!!!!』
「死ねクソジャンキー。」
電話越しに中指を立てる蘭を「まぁまぁ…」と静かに抑える。きっと電話の向こうにいる三途も、同じようにスマホに向けて中指を立てているのだろう。
『A、おめでとう。良かったな。』
「ありがとう、マイキーくん!」
「お前らもボスを見習え。」
『くっ……Aにおめでとうと言うべきか……そいつはやめろと言うべきか……あぁあ"!!!』
王がおめでとう……でも灰谷蘭……なんてぶつくさと葛藤している三途を押しのけて、続いて聞こえてきたのは竜胆の声だった。
『Aちゃん、兄貴はAちゃんには優しいから心配することねぇと思うけど、ちょっと困ったところもあるから迷惑かけっかもだけど、ごめんな。大変かもしれねぇけどよろしく。困ったことがあったらいつでも言っていいから。』
「はい、ありがとうございます、!」
「どういう事だよ。何が大変なんだよ俺の。」
『生活力皆無なところ。下手な手伝いしようとしないでAちゃんに聞いてからやんなよ?』
「俺の事まじで馬鹿にしてる?」
『灰谷蘭に何かされたらすぐに言えよ。いつ別居してもいいように部屋用意しといてやろうか?』
「しねぇわ。お前ら明日マジで覚えてろ。」
そう言い残して、蘭はぶつりと無理矢理電話を切った。
「好き放題言いやがって……」
「ま、まぁ、いいじゃないですか……ね?」
「……ま、いいか。幸せならそれで。」
蘭はそう言うと、Aの肩に寄りかかりながら小さく笑った。レオが彼女の膝に顎を乗せているところに、優しく頭を撫でてやる。こんなに幸せでいいのだろうか。深夜2時過ぎ。今までに感じたことの無い幸せを噛み締めた。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2021年10月30日 10時) (レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています! (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月16日 2時