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｢Aちゃんの部屋にあった物、全部俺ん家。｣
それが何か？と言いたげに首を傾げた蘭に、なんでもないような顔をした竜胆。しばらくの間の後で、頭蓋骨が擦れる音とがちゃり、という金属音がした。蘭の後頭部に突きつけられたそれに思わず｢ひぇ｣と声が漏れる。
｢春叔父さん姪っ子の前で物騒なもん出すなよなァ〜教育によろしくねーよ？｣
｢遺言はそれだけか？待ってろ今楽にしてやらァ。｣
｢Aの前だぞ。仕舞え。｣
｢うっす。｣
佐野の言葉にすんなり頷いた三途は、その黒く光る
｢で、なんでテメェの家にAの荷物があんだよ。｣
｢うちに来るだろうと思ってたからに決まってんだろ。施設に預けるなんてことしねぇだろうし、事務所に置いとくわけにといかねーし、レオは俺にめちゃくちゃ懐いてんだから消去法で俺だろ。｣
｢どこを消去したんだよテメェの頭には脳みその代わりにヤクでも詰まってんのか？｣
｢それはテメェだろ。｣
｢んだとクラゲがァ！！！｣
｢んのかコラァ！！！｣
胸ぐらを掴み合い、額がくっつくほどの至近距離で睨み合う二人をバックに、蘭は佐野に向き直ると｢どうっすか？名案じゃね？｣とへらへらと笑っていた。
｢……まぁ、犬が居るとなると住む場所は考えもんだよな。｣
｢にしても……Aちゃんの意見も大事なんじゃないか？仮にも歳頃の女の子だろ？｣
｢んな事言ったら誰の家にも行けなくね？俺ん家ならいつもの公園にもちけーからレオの散歩にもストレスかかんねぇと思うけど？｣
｢でも、蘭さんにご迷惑じゃ……｣
｢ご迷惑だったら最初から荷物運んでねぇよ♡｣
｢どう？まじで優良物件♡｣と最後のゴリ押しに入る蘭に、Aはうーん……と小さく唸ったあと、こくりと小さく頷いた。父親である明司も渋ってはいたが、Aがいいならと了承はした。ただし何かあれば直ぐにうちに引っ越させることを条件に。
｢じゃ、Aちゃんも疲れてんだろうし帰るかぁ〜｣
｢テメェまだ話し終わってねぇぞ！！！！｣
｢執拗いんだよド腐れジャンキー。｣
蘭に掴みかかろうとする三途を羽交い締めにすると、竜胆はそのまま後ろに投げ飛ばした。
この時、誰しもが思っただろう。上手いこと丸め込みやがって、と。反社という事実がバレてしまった以上、彼は我慢する必要が無いのだ。明司はキリキリと痛む胃を押さえ、タバコに火をつけた。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
