172、なぜ？ ページ7
どことなく浮かない気持ちのまま部屋に帰ると、ユノがベッドに座っていた。何を
するでもなく、ただ座っているだけ。考え事をしていたのかもしれないけれど、私
が部屋のドアを開けるとパッとこちらを向いたので、もしかしたら私を待っていた
のかもしれない。
「ムラクの話って、なんだったの？」
少し不安も含んでいるその声色。ずっと離れていたにも関わらず、あの頃と変わら
ずユノは優しいと思う。彼女のその明るい性格故か、ついつい口を滑らせてしまう
こともあるのだけど。
今回の件は、ムラクの話具合だともうすでにユノも知っているのだろう。いつかの
ウォータイムでムラクがアラタに流した情報は、クラス中に回っているようだ。ま
あ、ムラクも口止めはしていなかったようだが。
「セカンドワールドの事だった。ユノももう知ってるんでしょう？ 代理戦争の事」
「その事だったの。……うん、私も知ってる」
ハルキから話を聞いたときは驚いたわ、と苦笑い混じりにそのときの様子を話し出
すユノ。
その話によれば、先日ハルキはクラスの前でこの話をしたそうだ。ちょうどそのと
き美都先生がやってきたみたいで、いろいろと言及したみたいだけれど、そのとき
パラサイトキーだとか、さの類いの話を聞いたらしい。
「なるほどね。ほかの生徒はその事を？」
「たぶん知らないわ。ロシウス連合はよくわからないけど。その情報、もともとは
ムラクかららしいし。でもムラク、なんで知ってたんだろう……」
「たしかに」
それを考え出すと、きりがない。
セカンドワールドのほかにも、私にはセレディ先生の事も気になるのだけど。あれ
以来接触はなかったから気にしなくはなっているけれど、どうしてあの事を先生は
知っていたのだろうと、疑問に思うことがある。
―君の両親は、この国の権力者に殺された。―
その一言が、ずっと胸につっかえている。考えてもその深意までは読み取れなくて。
どうして両親は死ななければならなかったのだろうと、苦しくなる事がある。もし
かしたら両親の研究が、その理由なのかもしれない、とも思う。
「……A？ 大丈夫？」
「え？」
「何回名前呼んでも聞こえてなかったみたいに返事なかったから。どうしたのかな
って」
「少しだけ、考え事」
その内容までは話さなかった。そんな事を言っても仕方がない。それに、知られた
くない。
それ以上考えるのが嫌で、もう切り上げよう、と言って布団にもぐり込んだ。
ラッキーキャラ
法条ムラク
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陽竜☆ - ちょー久しぶり！覚えてる？更新頑張って(о´∀`о) (2015年3月16日 18時) (
レス) id: 6900af9726 (このIDを非表示/違反報告)
風陣歌唄(プロフ) - 七瀬 暁さん» ありがとうございます。最近ほとんど更新できていなかったのですが、それでも読んでいただけると嬉しいです (2015年1月31日 16時) (レス) id: e32c18931f (このIDを非表示/違反報告)
風陣歌唄(プロフ) - 美月さん» 久しぶり、返信遅くなってごめんね！中学校ってテストばっかりで大変だよね……。更新速度はどうなるかわからないけど、これからもよろしくね (2015年1月31日 16時) (レス) id: e32c18931f (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 暁(プロフ) - 凄く面白いですね！更新頑張ってください！ (2015年1月10日 10時) (レス) id: a489451506 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 風陣歌唄さん» お久しぶり！期末テストとかで忙しくてあまり読めなかったけど・・・。続編おめでとう！これからもがんばってね（'＝'）あ、私は無事に中学生になれました！空手部に入ったよ（＞＜） (2014年12月23日 13時) (レス) id: 598d5a56fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風陣歌唄 | 作成日時：2014年8月3日 10時
