二九 束の間の平穏 ページ29
*
「じゃあ、何すか?
ここは、俺らの生きてる時代の遠い未来で、それで、勝家とかも、飛ばされたってこと?
……いや、訳分かんねーんすけど」
『まぁ、信じられないのも無理はありませんけど。紛れもない事実ですに、信じていただくしか』
上の方からさくらさんと、赤髪くんの声が聞こえる。あー、名前聞いとけばよかったな。
さっきまで怖がっていたはずなのに、気が付けば普通に話をしている辺り、彼の適応力が高いのだろう。
因みに私は夕飯を作っている最中だ。今まで毒だ毒味だのやり取りが本当に面倒だったので監視はいいのかと彼に聞いたところ、ぎょーぶさんが見てるでしょうし、大丈夫だと。
まずぎょーぶさんって? という所からなのだが。まぁ消去法で三成さんじゃなくて自分じゃなければ包帯の彼だろうと。まぁそれが正しいかは後に分かるだろう、置いておいて。
先程私に躊躇なく斬りかかってきた三成さんと包帯の青年は先にお風呂に入れた。
うちはただの賃貸なので、そんな2人も─しかも片方は割と大柄な部類に入る男性だ─入れるようなお風呂の造りにはなっていない。
が、風呂に入る以上包帯の彼は巻き替えたり何だりあるだろうし、手とかは1人じゃ難しいだろう。
そう思い狭いことを伝えた上で提案すると、案外素直に入る意思を見せてくれたので入らせた。包帯は昔使ったものの残りがあったはずなのでお渡しして。薬の系統は分からないが清潔なのは清潔なのでしてないよりかはマシだろう、という判断に落ち着いた。
赤髪くんにも先に入ってもらおうとしたら、俺は手伝うし2人より下なんで後で、と爽やかに笑ってくれたので今は私のお手伝いをさせている。
さくらさんと話ができるなら彼女に指示を出しておけばいいのでとても楽だ。今は2階にあるひと月ぶりの2枚の布団を持っておりてもらっている。
そこでふと、思い出す。着替え用意するの忘れてたや、と。
廊下まで出て、階段を見上げるといざ足を階段に掛けん、という所だったのですみません、と声を張る。
「何すかー!
俺今下見えないんで登ってこないでくださいね!」
「登りませんが追加で、着物を持っておりていただきたくて。今お風呂に入られているお2人と、あなたの分です。
すみません、動きにくかったら往復していただいてもいいのでお願いしたいです、場所はさくらさんが知っていますので!」
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さしみ(プロフ) - 初コメ失礼します!長らく更新させてないようですがとても面白かったです。いつか更新されるようならまた読みに来たいです。更新されるようなら無理せず頑張ってください。 (2020年12月4日 13時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 御津さん» お返事が遅くなりすみません!御津さん初めまして、ご感想とリクエスト、ありがとうございます。そろそろ1巻をキリよく終わらせるのに誰か居ないかなぁ…と迷っていたところでした是非瀬戸内にはトリを飾ってもらおうと思います!今後も完結までよろしくお願いします! (2020年2月3日 18時) (レス) id: 959b48d95f (このIDを非表示/違反報告)
御津(プロフ) - すっごく面白いです!よろしければいつか瀬戸内(毛利と長曾我)も宜しくお願いします。更新お待ちしてます (2019年11月15日 17時) (レス) id: 672fceb52b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 旅人さん» 旅人さん初めまして、温かいお言葉ありがとうございます!お市様は私が薙刀時代しか詳しく知らないのもあって薙刀にしました笑今後とも頑張りますのでよろしくお願いします!(また、他に誰か呼んだら面白げな方とかいればお気軽にお教え下さい!) (2019年7月17日 7時) (レス) id: 959b48d95f (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - コメ失礼します!主人公の周りが賑やかでとっても面白くて、あとその、お市様の薙刀時代(?)好きなのでめちゃんこ嬉しかったです…んんもう大好きです!これからも密かに応援させていただきます!無理のないよう、更新頑張ってください! (2019年7月16日 20時) (レス) id: e903332221 (このIDを非表示/違反報告)
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