薄桜鬼〜I wish happiness be always with you〜

#45　金平糖 ページ46

ほどなくして、新選組は江戸城近くの元役宅に新たな屯所を構えた。

「おっ！おっ！だいぶよくなった！」

私の腕もかなりよくなり、腕をつっていなくてもよくなった。

私はルンルンで、千駄ヶ谷へと向かった。


・


・

「総司ー。」

千駄ヶ谷では、総司が臥せっていた。

総司のほうは治りがよくないらしい。

総司)「あぁ、だんごちゃんか。珍しいお客様だね。」

そういって、総司が布団から起き上がる。

「お茶しながら、暇つぶしでもどうかなってね。」

私はそう言いながら、お茶と金平糖を取り出した。

総司)「わぁ！金平糖！！」

総司は金平糖大好きだから、喜ぶだろうと思って持ってきた。

どうやら持ってきて正解だったよう。

「喜んでもらえてよかった。傷の治り具合はどう？」

総司)「・・・だいぶよくなったけど、腹のほうが治り悪いんだ。」

総司はキッと眉を吊り上げてそう言う。

総司)「僕にできるのは人を斬ることだけなのに・・・
それができなくなったら、近藤さんの傍にいられなくなる・・・」

悔しそうにそう言う総司は、本当に近藤さんが好きなんだろうな・・・。

「まぁ、そんな顔しないの。せっかく金平糖持ってきてあげたのに
そんな顔で食べられたら金平糖も気分悪くなっちゃうよ。」

総司)「そうだね。」

私たちはしばらく二人でおしゃべりをしていた。

なんだか時が戻ったみたいで・・・

嫌なことを忘れられた。

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