[第46話] 心 ページ6
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ﾚｲ｢聞きたいこと……？｣
ｸﾞﾚｲ｢……レイチェル・ガードナー。
ザックはお前の神ではなかったな。｣
ﾚｲ｢……！！｣
ﾚｲ｢……ええ。
でももう、それはちゃんとわかってる…｣
ｸﾞﾚｲ｢……あぁ。そのようだな。
だがそれをお前は心から理解しているのか？｣
ﾚｲ｢…私とザックは神様じゃなくてお互いに誓った…それは本当よ。｣
ｸﾞﾚｲ｢…あぁ、その通りだ。
ザックはもう神ではない。
絶対的なものではなくなった。
___お前はザックを天使でもなく神でもないものにしたのだ。
____つまり、お前の願いを"かならず"叶えてくれるものはいなくなった。｣
ﾚｲ｢……え？｣
ｸﾞﾚｲ｢神でもないものに立てた誓いなのだから___裏切られることもあろう。
それでもなお、お前たちの誓いを絶対的なものと信じるならば、
"それは神となにが違うというのだ"？｣
ﾚｲ｢……別に、別に絶対だなんて____
思ってるわけじゃない。｣
ｸﾞﾚｲ｢……ほう。｣
ﾚｲ｢確かに私はザックを信じてる。
それは本当よ。
でも誓いも信じるのもザックと私がそれぞれの心で決めたこと。
だからもし、それが裏切られたとしても…
信じたのは、私の心だから。
私の心は私が背負う。
神様と違うことなんか覚悟してるもの。｣
ｸﾞﾚｲ｢……そうか。
……そして、お前はその上でまだ己の死を望むのか？｣
ﾚｲ｢____ええ。｣
ｸﾞﾚｲ｢……なぜだ。
お前はここまで考えを変化させた、それでもその望みは変わらないのか？｣
ﾚｲ｢……別に私自身は変わったわけじゃないもの。
自分を受け止めただけ、ただそれだけ。
そして私はもうそんな自分を｢許して欲しい｣なんて望まないし……
許してくれる人ももういない。
____だからやっぱり私は死にたいの。
生きてはいられない……｣
ｸﾞﾚｲ｢……そう自分で決めたと言うのだな…？｣
ﾚｲ｢___ええ。それと……
……。
…やっぱり、あとは内緒……｣
ｸﾞﾚｲ｢…まったく、神などただ置いてけぼりではないか。｣
ﾚｲ｢……あ、えっと…｣
ｸﾞﾚｲ｢そのような顔をせんでもいい。
____今更だ。
____最後にもう一つ聞くぞ。
レイチェル・ガードナー。
お前は何者だ？｣
ﾚｲ｢……それ、何度も聞かないで。
_____私は私。それ以上でもそれ以下でもないわ。｣
ｸﾞﾚｲ｢お前の話はまるでザックと自分が対等の者同士のような話しぶりだったな。
……だがそれも間違いではないのかもしれぬ。｣
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作者名：春猫
| 作成日時：2020年12月27日 3時
