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「火影様、報告書をお持ちしました」
火影様からの、はいれという言葉を聞いてから扉を開けた。
火影室の中には大量の書類に囲まれた三代目火影様が座っており、なんだか報告書を渡すのも申し訳なく思ってしまう。しかし、この報告書を渡さないことには次の任務は受けられずつまりは仕事が進まないのだ。
「ごくろうじゃった。次の任務の話なんじゃが、新しい班を組む」
正直予想はしていたので驚きもせず、次の言葉を待った。
上忍になったのだからやはり私が班長を任されるのだろうか。今までも、暗部に居た頃も班長になったことは何度かあるが上忍になったからにはそれなりに大きな任務が課されるわけで。
つまりは班長の責任も重大になってくるのだ。やだ、むり。
が、その次の言葉は全く予想もしていなかったもので。
「今期アカデミーを卒業した下忍の班についてもらう」
「下忍の、ですか?」
今期アカデミーを卒業した下忍。つまり新人下忍の班長はこの間集会でアスマさん、紅さん、カカシ先輩の三人が選ばれていたはずだ。誰か不都合でもあったのか?
そんな私の疑問を三代目は察したらしく。
「カカシが担当する七班にはあのナルトとうちはサスケがおる。カカシなら大丈夫じゃと思うが、今年は何か嫌な予感がしてのう……」
つまりは念のため、ということか。
「カカシにはもう話を通してある。頼んだぞ」
「は では、失礼します」
さっきカカシ先輩とすれ違ったのは私の前にその話をしていたからか。
なら、あのまたねは次があるとわかっていたから言ったのか。社交辞令でも、なんでもなく、ちゃんと意味のある言葉だったのだ。
それだけで心拍数が跳ね上がり、誤魔化すように急いで火影室を飛び出した。
なんて単純な女なのだろうか。こんな些細なことで喜ぶ20代女子もなかなかいないだろう。
深呼吸をし、とにかく心拍数をおちつけ顔を上げた。
「いやあ今から受け持つ下忍3人を見に行こうと思ってたんだけど、どうせなら一緒に行こうかと思って」
「え、もうそんな時間ですっけ」
意外と冷静だって?これでも忍者の端くれですから、本人を前にしていちいちテンパってるわけにはいかないのですよ。まぁ落ち着いた心拍数は再び上昇してるけどね。
他の誰にバレようとも、本人にだけはバレたくないのだ。
「いやまだ一時間ぐらい余裕あるけどどういう奴らか見ておきたいでしょ?」
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蒼葉(プロフ) - カカシ先生すっごいかっこいいです!!面白いです!!更新待ってます! (2019年3月29日 15時) (レス) id: 23fe071b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2019年3月5日 2時