＊ ページ20
「いただきます」
二人で声を揃えて手を合わせる。
味噌汁を手に取り、すっと口に入れた。
1番最初に汁物を飲むのがマナーって何かで読んだ……気がする。
「ん」
「あ、わかりました？」
口にした瞬間にわかった。以前までお昼に食べていた定食についていたものとだいぶ味が違う。
「赤味噌を使ったんです。いつもお店で出してたのは白味噌で。どうですか？」
「…僕、この味好きです」
「ほんとですか！良かったです。少し独特なので嫌いな方もいるんですよね〜」
Aさんは好きなのだろう。美味しそうに味噌汁をすすった。
次に少しだけ取り分けてもらった鮭に手を伸ばす。てかてかと綺麗に光っていて美味しそうだ。
1口サイズに切り、口に入れた。
じゅわぁっと脂が口の中で広がる。のに、くどくない。焼きすぎでもなく、生焼けでもない程よい焼き加減に焼かれており、噛むたびにほろほろと身が分かれる。
なんというか、焼き鮭には表面は脂などなく白っぽくて、中身がパサパサしているイメージを完全に持っていた。
しかしこれなら口の中の水分も持っていかれることはないし、味もとても感じられる。
それにご飯にとてもよく合うため箸をすすめる手がなかなか止まらない。
「…折原さん」
名前を呼ばれハッと我に返る。
すっかり食事に夢中になっていた。
「す、すんませんこんながっついてしまって…」
「え、そんなことないです！むしろ美味しく食べられるんだなぁって。すみません、ちょっと楽しんで見てました」
くすくすと笑いながら言う彼女に妙な羞恥心が湧く。
ずっと見られていていい気はしないが、美味しそうに食べるというのは恐らく褒め言葉なのだろう。が、喜んでいいものか…。
「卵焼きはどうですか？」
「もちろんいただきます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ことみ(プロフ) - いちたにさん» もちろんっ! 素敵なお話、お待ちしております♪ (2019年7月29日 3時) (
レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
いちたに(プロフ) - ことみさん» お気遣いありがとうございます、ゆっくりではありますが書いておりますのでもう少し更新を待っていただけると幸いです (2019年7月29日 3時) (レス) id: 3105139abf (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - いちたにさん» あらまぁ。。。更新が止まっていて、それでいて本人がいるなら更新停止状態にしたほうがよいと思います。なんか上から目線ですみません(>_<) (2019年7月29日 1時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
いちたに(プロフ) - ことみさん» すみません！更新が止まっているだけで終わりではないです(汗) (2019年7月29日 1時) (レス) id: 3105139abf (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - なんで、終わりになってるんでしょう。。。? わざと、です？まぁなんにせよ、更新楽しみにしてますね♪ (2019年7月28日 3時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちたに | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月9日 20時
