検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:33,350 hit

友達 ページ3

「ナオミィィ」

「A!如何たの?」

「中也君に!会った」

中也から逃げ帰って来たわたしは、友達のナオミに泣き付いていた。

ナオミとは中学の後輩だ。ひょんな事から仲良くなり、其れからの付き合いは今も健在である。

「良かったじゃないの」

「忘れられてた…ヒック」

嗚咽だかしゃっくりだか分からない音が漏れたがスルー。

其れ所じゃないのだ。

「あらら。其れはいけませんね」

「如何しよう…」

わたしがずっと覚えていたからって、相手も覚えている訳無いのだ。

なのにわたしはわたしが忘れなかったって、其れ丈で中也も覚えていてくれてるって勘違いしてた。

そんな事、有るわけ無いのに──

「アタックですわ」

「アタック…?」

「ええ、思い出させるか…新しい関係を作るか…二つに一つですわ」

「と云うと?」

恋愛に関しては、ナオミ以上に頼りになる人を、わたしは知らない。

「先ずは、昔の様に接していくべきです」

「昔、みたく接する」

わたしが呟くと、ナオミは満足そうに頷いて、話を続けた。

「そう。その内に、中也様が思い出す事がベストですわ。
しかし、中也様に思い出す様子が無いようでしたら…」

ナオミの話の上手さも手伝って、わたしはナオミの話を食い気味で聞いていた。

「過去の話をします」

「な、何で?」

「前にAが話してくれた御涙頂戴のエピソオドを彼にすれば、
其れを忘れていたと云う事実を突き付ければ
中也様は、きっと弱ります。
其のまま上目遣いで押し込めば、コロッと…」

ナオミは自身の指をペロッと嘗めた。

艶かしい手付きだった。

詰まり、ナオミが云いたい事は
1、昔の話をしろ
2、忘れていた事に責任を感じさせて
3、弱らせろ
4、上目遣いで中也を落とせ!

まぁ、大方こうだろう。

結論から云おう。

「ナオミ…有り難う!!」

わたしは行けると思ったのだ。

暴力とは生きない→←下手な尾行



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。