Embodying War 【本編】 (ページ32)

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第３１話　研修指導？４日目:夜【お礼散歩】⑦ ページ32

副隊長、隊長二人を寝かせて、蛇永は兎野と夜の廃乱戦区域に訪れていた。
夜風は少し肌寒いくらいで、丁度いい

ここいらにはもう明かりもないので、空が星で光って見える。
もともといた場所じゃこんなに星は見えないだろうなあ。
なんてぼんやり思いながら歩く。
「ずいぶんここら辺は星が見えるんですねぇ。」

「あー、まぁ都市部より明かりも少ないですしね。…今は人も住んでませんし、それなりに空気も綺麗なんじゃないですかね。」

なんて兎野は答える。
それに「へぇ」なんて軽く答えながら歩く。

「あそうだ。兎野さん、」

「何ですか？」

「さっきは、ありがとうございました！
正直二人ともあのまま俺だけの説得じゃ寝てくれなかったでしょうし、助かりました！」

その蛇永の言葉に暫く呆然と此方を眺めていただけだった兎野だったが暫くするとハッとして、「あぁ、」と理解したように言う。

「…まぁ、でもいつも何かしらして止めてはいるんですけどね。
にしても今回は上手く止められたんで良かったっすけど蛇永さんって人の話聞きやがりませんよね」

「え"っ」と、確信付かれたような声をあげる蛇永を横目に兎野は話を続ける。

「隣で、あの二人は止められないのでー、
みたいなこと言ったのに全然聞かないで止めに行きやがりますし。まぁ今回は功を奏したので別に良かったですけど。」

「他の作戦とかの時とかにそれで突っ走られても困るんでもっと慎重にやりやがれ下さい。」
と、いつもとなんら代わりのない表情で注意してくる兎野に少し反省の色が取れる表情で蛇永が「はい……すいませんでした」と申し訳なさそうな感じで答えた。

「あと」と、兎野が付け足しで言う
「俺、あんたと同い年なので、今度から翔って呼んで下さい。そっちのが区別付けやすいし誰かわかりやすいので」

兎野がそう言い終わると蛇永は固まる。
ということはつまり………

「え？……………………………じゃあ兎野さんって18なんですか？？！」

「……逆に何歳だと思っていやがったんですか？？」

「………いや、なんでもないです……」

…ここの人達は、皆若く見えるんだなあ
と、つくづく思った蛇永だった。

因みにその後兎野からちょくちょく年齢の話になると「結局第一印象何歳だったんですか？」
と、わりとしょっちゅう聞かれるようになったという。