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第90話:2学期編 ページ45

「今日から2学期だ。夏休み気分のまま、気を抜かないよう注意しろ」



2学期最初のHR。
前学期と変わらない富岡先生が淡々と喋る。


すると、スッと箱を取り出した。



「では、今から席替えを始める」

「「「えー!!!」」」

「え…」



まじかよ、聞いてないぞ。
湧き上がるブーイング、私も思わず声が漏れた。


伊之助と、席離れちゃうのかな。
あいつ朝からずっと寝てるから、まだ喋れてないのに…


チラッと伊之助を見た。


「!!」

「…。」



閉じていたはずの大きな瞳と、ぶつかった。


な、なんでこっち見てんの?
てか寝てたんじゃ…



「い、伊之助…席替えだって…」

「オオ、聞いた」

「…離れちゃうね?」

「あぁ」



な、なんだその微妙な反応。
いつもだったら絶対ふざけんな!って騒ぐのに。

寂しいの私だけか?


いや、寂しいのは私が片思いしてるからか…



「お前は」

「え?」

「お前は、寂しいのかよ?」



頭の中でも読まれたんだろうか。
真っ直ぐな瞳に問いかけられて、私は思わずグッと固まった。



「…さびしい」

「!!」



でも口からは素直な言葉が溢れた。

伊之助の顔がみるみる赤くなる。
自分から聞いたくせに。



「おいお前たち、話してないで早く引きに来い」

「は、はい!」



どうやら私たちの番だったらしい。
赤い顔の伊之助を引き連れて、私はくじを引いた。








*******



「…では、今日からこの配置で座れ」



全員が引き、移動を終えた。


私はまた窓側の席で、今度は前から2番目。
私の前は…



「A!近くなったな!」

「うん!炭治郎が前で嬉しい!」



なんと幼馴染みの炭治郎でした。


一方、伊之助はというと…



「なんで俺様がこんなところ座んなきゃいけねーんだ!!前座らせろ!!」



廊下側の一番後ろ。
彼はもともと一番前が良かったみたいだ。そのため今は不満爆発。



伊之助と席、離れちゃったなあ。



「俺が伊之助と席、変わろうか?」

「え!そんなのいいよ!大丈夫!!」

「はは、俺も冗談だよ」



炭治郎はそう笑って、クルッと前を向いた。


炭治郎も冗談とか言うんだな…







「俺だってAの近くになりたかったんだ、ごめんな伊之助」

「ん?なんか言った?」

「なんでもないよ」




.

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設定タグ:嘴平伊之助 , 竈門炭治郎 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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まこ(プロフ) - なるとさん» なるとさん初めまして!コメントありがとうございます(^^) いつも見ていただきありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。 更新頑張りますので、ぜひこれからも見ていただけると嬉しいです!よろしくお願いします(o^^o) (2020年3月16日 10時) (レス) id: 5468609aea (このIDを非表示/違反報告)
なると - こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいてます!がんばってね。 (2020年3月13日 21時) (レス) id: 3ad2e3812e (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - きなぽさん» きなぽさん初めまして!あああそう言っていただけてとても嬉しいです励みになります…!( ; ; ) ぜひこれからもよろしくお願いいたします(^ ^) (2020年2月7日 10時) (レス) id: 5468609aea (このIDを非表示/違反報告)
きなぽ - 素敵な小説に心が暖かくなりました! (2020年2月5日 12時) (レス) id: 8433dfe4be (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - ZERO-naさん» ZERO-naさん初めまして!確認しましたところ番号がごっちゃになっていました…教えていただきありがとうございます(^^)/ 流れは変わりませんので、ご安心ください!楽しんでいただけてとても嬉しいです!ぜひこれからも読んでいただけますと幸いです(^^♪ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 274878ae19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まこ | 作成日時:2020年1月8日 13時

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