第69話 ページ24
昼休み
伊之助と炭治郎は屋上で昼食をとっていた。
そこに善逸が合流。
2人に近づくも、そこにとある人物がいないことに気付く。
「あれ、Aは?」
「なんか用事ができたって言っていたな」
「フン、知らねぇ!」
伊之助の様子に、また喧嘩かよと善逸はため息をついた。
しかし、今回は善逸が想像しているような事件ではなかった。
伊之助はイライラしながら、本日のAの様子を思い出す。
朝から俺と目を合わせなかったと思えば、
今度は俺の方をジッと見たり、
気になって俺が声を掛ければ、
「伊之助は静かにして!」とキレられたり…
仕舞いには「ちょっとお借りします!」と訳の分からないことを言い出し、
俺の元から走り去った。
「ダーッ!くそ!!なんなんだよ!!」
考えても、理解できるわけもなく。
頭がパンクしそうになり、伊之助は叫んだ。
****
一方、Aは人通りの少ない廊下で1人立っていた。
いや、正確には2人で。
《まさか私が見える人に出会えるなんて…》
Aは、今朝伊之助にくっついていた女性の幽霊と話していた。
「それで、自分のことが思い出せないって本当ですか?」
《えぇ…》
彼女曰く、気付いた時から伊之助の元にくっついていたらしい。
生前の記憶がなく、自分が誰なのかも、
どうして伊之助の傍にいるのかも分からない。
ただ、彼の元から離れる気になれず、もう何十年も伊之助の傍にいるのだとか。
《きっとあの子は、生前の私を知る人なんだと思います。
話してみたいのですが、私はこんな身なので彼と話せるわけもなく…。
でもそこで、あなたに出会いました》
嬉しそうな笑顔を浮かべる女性に、余程困り果てていたのだろうとAは感じた。
彼女は美しい顔をグイッとAに近づける。
《お願いです、Aさん!どうか協力してください!》
「き、協力?」
《私が誰なのか、あの子とどんな関係があるのか…私は知りたいのです。
もし知ることができたら、きっと私は成仏できます…だから…!》
女性は頭を深く下げ、Aに懇願する。
幽霊にはできれば関わりたくないAであったが、
こんなに必死にお願いされては無下にできなかった。
「…わかりました」
《Aさん…!》
渋々頷くA。
嬉しそうな彼女の笑顔に、Aは苦笑いを返した。
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まこ(プロフ) - なるとさん» なるとさん初めまして!コメントありがとうございます(^^) いつも見ていただきありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。 更新頑張りますので、ぜひこれからも見ていただけると嬉しいです!よろしくお願いします(o^^o) (2020年3月16日 10時) (レス) id: 5468609aea (このIDを非表示/違反報告)
なると - こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいてます!がんばってね。 (2020年3月13日 21時) (レス) id: 3ad2e3812e (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - きなぽさん» きなぽさん初めまして!あああそう言っていただけてとても嬉しいです励みになります…!( ; ; ) ぜひこれからもよろしくお願いいたします(^ ^) (2020年2月7日 10時) (レス) id: 5468609aea (このIDを非表示/違反報告)
きなぽ - 素敵な小説に心が暖かくなりました! (2020年2月5日 12時) (レス) id: 8433dfe4be (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - ZERO-naさん» ZERO-naさん初めまして!確認しましたところ番号がごっちゃになっていました…教えていただきありがとうございます(^^)/ 流れは変わりませんので、ご安心ください!楽しんでいただけてとても嬉しいです!ぜひこれからも読んでいただけますと幸いです(^^♪ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 274878ae19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこ | 作成日時:2020年1月8日 13時