看板娘44 ページ45
一気に騒がしくなる教室。ザワザワと騒ぐクラスメイトの声を嬉しそうに聞いて、キョロキョロし始める一護。……いや、正確には、一護に入った、何か。
(一護の魂はあそこにない……義魂丸か)
大方浦原さんが朽木さんにでも売ったのだろう。にしても、こいつは目立ちすぎだ。ちゃんとしたもの渡したんだろうなあの人は。これじゃまるで、改造魂……
ダンっ、と思考を遮る音がして、一護に入ったそいつが織姫の前に立ち……手の甲にキスをした。ざわつく教室に、慌てて止めるたつき。羽交い締めにされたそいつは仰け反って頭を後ろに向かせ、そのままたつきの頬にもキスをした。いくら何でもこいつはまずい。浦原さんに連絡してる暇はない、幸か不幸か、ここには朽木さんも一護もいない。
………私が、止めなければ。
「おい待て、お前っ…!」
「死ねぇッ!!!」
ガッシャアン、と唸るような轟音。たつきが机を投げた音だ。完全に頭に血が上ってるようだ。
「たつき落ち着け、お前も止まれ!!お前はっ、」
がし、とそいつの腕を掴んで叫ぶと、そいつは私を見て言った。
「……へぇ!アンタもキレーだなぁ」
ちゅ。
頬に少しだけカサついた、でも柔いものが当たって、そいつの顔が目の前にあった。
「〜〜〜ッ!!?き、貴様ァ!!!」
…私も、たつきと一緒になって、やつに蹴りを飛ばした。
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作者名:名無し | 作成日時:2022年2月21日 5時