看板娘34 ページ35
「なになにィ!?この反応はいるでしょ好きな人!」
マハナさんが身を乗り出し言う。私が焦って何も言えずいると、本庄さんがハッ…!となにかに気づいたように叫ぶ。
「そうか!分かったわ浦原さんアンタあたしと同類なのね!?誰!?相手は誰なの!!?あぁッまさかヒメ!?それならあたしが美少女同士の愛を邪魔する訳には…!いやここはあえて両手に花方式で」
「わーーーっっ!黙れ黙れっ死ねっ!脳内ピンク!!」
怒涛のマシンガントークをかます本庄さんに、真っ赤になって蹴りを入れる有沢さん。わいわいと騒ぐ彼女たちを見て、なんとも言えない気分になる。ていうか先ずは私がソッチじゃないことから説明したい。
「……ふふ、」
あんまり可笑しいものだから、思わず笑ってしまう。すると、いつの間にか隣にいた井上さんが、笑って話しかけてきた。
「あ!浦原さん笑ったー!」
「い、井上さん…私だって笑いくらいするよ、それと浦原じゃない。Aだ」
そう言うと、井上さんは少し考えて言う。
「じゃあ…Aちゃん!って呼んでいいかな?あたしのことも織姫って呼んで!お友達になろうよ」
花のような笑顔に、屈託のない物言い。清廉潔白を体現したような子だな、この子は……
「……分かった。よろしく、織姫」
すっと手を差し出すと、もう一度嬉しそうに笑って私の手を取る井上さん…いや、織姫。いつの間にか静かになっていた周りの女性陣もわっと織姫に続いて友達になろう、と言ってきて、図らずも皆と名前呼びになるまでに至ったのだった。
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作者名:名無し | 作成日時:2022年2月21日 5時