看板娘24 ページ25
放課後。どたばたと帰りを急ぎ、商店の入口をスパンと開ける。ジン太とテッサイが店番をしていたようで、目を丸くしているが今の私には知ったことではない。
「おぅわッ、Aねえちゃんか……」
「A殿おかえりなさいませ、どうでしたかな今日は……」
「ジン太、テッサイ、ただいま。浦原さんは」
テッサイの言葉を遮るように荒く言うと、今ちょうど出てるぜ、とジン太に言われる。あンのマッドサイエンティストめ、逃げやがったな…まぁいい、帰ってくるまで怒りが冷めると思うなよ浦原さん。
「……解った。ジン太、店番を代わるよ。河川敷ででも遊んでおいで」
「やったァ!まじかよねえちゃん!」
私の言葉を聞くなり笑顔で飛び出していったジン太。店内には私とテッサイのみになる。ジン太が座っていた丸いパイプ椅子に腰掛けて一息つく。相変わらず客足少ないんだなこの駄菓子屋……
「A殿、どうして急に?」
「浦原さんをぶん殴る。店先で出迎え一番に一発キメてやるんだ」
「お、お怒りが凄まじいようですな…」
朽木さんのことを黙っていたこともそうだが、せめて私に今後の指示を出すなりなんなりすればいいのに。一護と朽木さんのことを見張っていて欲しいなら一言そういえば、私が断るハズがない。そんなことも浦原さんは解ってるハズだ。何がサプライズだあの変態ゲタ帽子、最近度が過ぎるぞ。
「あ"ーーっ、ダメだ!イライラして敵わん、テッサイ!地下を借りるぞ」
がたん、と立ち上がって地下への階段を降りる。義骸を脱いで階段のすぐ横に置くと、修行用のハリボテたちを適当に用意する。
「ふーーーっ……」
大きく息を吐いて刀を抜き、刀身を地面に刺し、刀を握らない方の手を柄頭に添えて一言呟く。
「______悔い改めよ」
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作者名:名無し | 作成日時:2022年2月21日 5時