看板娘２０ ページ21
学校に着いて暫く暇していると、あっという間にホームルームの時間に。一護は今日はまだ来ていない。当たり前だ、あんなことになっているのだから…なんなら今日は来なくたっておかしくない。
担任の越智先生が入ってきて1番、意気揚々と言う。
｢えーじゃあホームルームの前にだな、今日は急だが転校生が来てるぞー。入ってこい！｣
扉が開いて入ってきた人物に、私は目を丸くした。
｢朽木ルキアと申します。皆様どうぞよろしく｣
にこり、と綺麗な笑顔で言うのは、昨日助けた女死神さん……朽木さんだ。昨日の顰めっ面からは想像もできないほど上品に笑っている。というか浦原さんあの人、いくら何でも手配がはやすぎるだろ……！
教室内は美少女が転校してきた、と騒いでいる。特に啓吾はうるさい。一護がいたら確実に殴られているくらいうるさい。
｢へぇー、綺麗な子｣
隣の席の水色が興味もなさげに言う。そうだこの男は年上の女性にしか興味が無いんだった。いやでもだとしたら朽木さんはものすごい年上だが…
｢じゃあ席は浦原の後ろなー。転校生への質問はホームルームの後にしろよー｣
｢！？…………"浦原"…？｣
ほらもう、朽木さん私のことめちゃくちゃ見てるじゃないか。確かに昨日は涙掠で通したし顔も見られていないけど、｢浦原商店｣なんてでかでかと書かれた看板の店連れられたら否が応でも浦原って単語は覚えるに決まってるだろう。よし決めた、帰ったら絶対に浦原さんを殴ろう。
｢……よろしくお願いしますわ、浦原さん｣
席に座るため近づいてきた朽木さんがすっと手を差し出して来る。冷たくにこやかに差し出されたその手を、ゆっくり掴んだ。
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作者名：名無し | 作成日時：2022年2月21日 5時
