看板娘２０４− ページ9
｢成程。それなりに興味深い発言だ。君には個人的に興味があるんだよ、涙掠A君。君なら或いは、僕と共に歩むことが出来るかもしれない｣
余裕綽々、と言わんばかりの態度。勿愛を握る手に力が入るも、一度大きく息を吐き落ち着く。やはり藍染惣右介副隊長には裏があった。白副隊長や拳西隊長がこんな異常な様子なのも全てはこの男のせい。
｢負傷したその二人は僕が救ってみせよう。君は僕と共に来ればいい｣
｢……負傷？馬鹿を言わないで貰いたい。これが負傷でないことを理解出来ないとでも言うのか？｣
ぴり、と空気が変わる。藍染は黙って私の次の言葉を待っているようだ。私の予想が正しければ、これは……
｢＿＿＿これは、｣
そう言いかけた瞬間、甲高い叫び声が後ろから聞こえた。刹那、背中に激痛が走り、私の身体は飛ばされる。
｢っがは……！！！｣
白副隊長だ。莫迦な、鬼道を自力で……！！デタラメだ。そこまでの力を生むものなのか。ずざあ、と大それた音がして地面に打ち付けられる。痛みで生理的な涙を流す私を見て、藍染は静かに歩み寄る。
｢話の続きが聞きたかったけれど、どうやら時間のようだ。話の続きは後でゆっくり聞かせてもらうよ。君は僕の部下がお相手しよう｣
｢……東仙、要、だろ…｣
私が藍染に言うと、奴は大きく目を見開いた。予想外だったのか何なのか知らないが、好機とばかりに一太刀くれてやった。と言っても、腕を掠めた程度だったけど。
｢……これは驚いた。既に把握していたとは｣
｢把握なんか、じゃない……私達が此処についた時、拳西隊長が既にあの状態だった。九番隊の隊員は全員刀傷で倒れていたのだから、あれをやったのは拳西隊長じゃない。あの場にいない九番隊の席官は、東仙要だけだ……！｣
簡単な予測だ、と睨みつければ、藍染は上機嫌に笑う。立ち上がるのがやっとの私の眼前まで来て、グッと私の顎を持ち上げた。
｢はな、せ……！下衆めが……！｣
｢…素晴らしい。ますます君に興味が湧いたよ、A。君ならやはり、僕と共に歩むことが出来そうだ。だから……｣
少しの間、眠っていてもらうよ。
その言葉と鋭い痛みを最後に、私の意識は途切れた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 389人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です！この作品とても好きです！浦原さんカッコイイです！！引き続きお話読めるの楽しみにしています！ (2022年9月5日 18時) (
レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、！！すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです！！応援してます！！！ (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し | 作成日時：2022年6月20日 19時
