看板娘245 ページ50
……戦いから約一月程。一護の様子に変化があった。無月の習得の過程で起きた身体的成長が、習得前に戻った。髪が元の長さまで短くなっていく。断界で起きた時間の逆流が原因だろう。これなら目覚めも近いはずだ。
織姫は今尸魂界だ。一護に目覚めの兆候が出たことを伝える一報をルキアと織姫へ送る。石田と茶渡はケータイで直接呼び出した。皆が揃って一護が目覚めるのを覗き込む。パチリ、と目を開けた一護に反応したのは織姫だった。
「え?あれ?ここ…俺ん家か?」
「そうだよ、一護。おはよう」
「貴様はあれから一月近くも眠っておったのだ…」
1人だけ大きな声出して恥ずかしいと唸る織姫の頭を撫でてルキアが言う。一護は驚くことも無く、外に出たいと言った。キョロキョロと辺りを見渡す様子から、本当に霊の気配は感じ取れなくなっているらしい。
「__お別れだ、一護」
ルキアが言う。私達は何を言うでも無く、二人のやり取りをなんともいえぬ気持ちで聞いていた。ありがとう、と一護が言ったきり、もう一護にルキアは見えていないようだった。
私はルキアを尸魂界へと送るついでに、伝令神機に連絡先を入れる。織姫は四番隊に貰った物があり、それを既に交換したそうだ。
「これで連絡が取りやすくなるな!Aも、色々ありがとう。また連絡する」
「うん、待ってる。真子達に嫌なことされたら言えよ、百一年余りずっとそばにいた訳じゃないけど…言えない弱みの一つや二つ持ってるからさ」
ふふふ、と笑ってルキアを送り出す。その足のまま商店へ戻って「浦原商店」と書かれたエプロンをつけ、今日も店先へ立った。寒空の下に以前と変わらない日常が戻る。命を賭して世界を救った彼だけが、力を失くして。
__もうじき、春が来る。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時