看板娘240 ページ45
「はああ……」
疲れた。それはもう疲れた。現世に戻りもう一度一護の様子を見てルキアや夜一様と分かれ、商店への帰り道を歩く。てくてく歩いていると、後ろからふとAちゃん、と声をかけられた。
「織姫?どうしたんだ」
「良かった、追いつけて…さっき朽木さんと一緒にどこか行っちゃったから、何かあったのかなって…」
「あ、あァいや、実は…ちょっと尸魂界に行ってたんだ。全然大した用事じゃないからさ、気にしないでくれ」
「そうだったんだ…あたしてっきり、その、浦原さんのことで何かあったんだと思っちゃってた…」
「お、織姫まで気づいてたのか……!?」
気づく?と首を傾げられ、ハッとするも時すでに遅く、結局洗いざらい話すことになってしまった。織姫は時折顔を赤くしながらも私の話をうんうんと聞いて、そうして応援していると言ってくれた。
「……わ、私は…気持ちを伝える気は無いんだ。浦原さんの迷惑にはなりたくない」
「うん、分かるよその気持ち…あたしも、Aちゃんと同じ事を考えると思う」
「織姫に好かれて迷惑などと言う奴はいないさ。勿論、一護もな」
そう言うと、顔をぼっと赤くしてええっ!?と驚く織姫。一護のことが好きなのはだいたい皆知っている。一護は事実どうなのか知らないが、織姫を好意的に思ってるのは見てれば分かる。
今度は私が織姫から色々聞く番だった。二人して顔を真っ赤にしながら話し込んだ後、お互い頑張ろうと手を振り分かれる。いつもよりも長く感じた道のりをすぎて商店の扉を開ける。
「お帰んなさい、Aサン」
「たっ…ただいま、戻りました、浦原さん…」
開けた瞬間に声をかけられ、肩を跳ねさせながら返事をする。バチ、と目が合って、今日の出来事を思い出して顔が熱くなる。咄嗟に目を逸らし急ぎ足で部屋に行こうとすると、Aサン、と呼び止められる。悲しきかな長年のクセで、呼ばれるとぴたっと止まって振り返ってしまう。今はお顔も見られない程だというのに。
「……はい?」
「今日、尸魂界行ってたみたいっスけど、どうしたんスか」
「へっ、あ、いや、別に何も……」
怪しさ満点の私の返事にスっと目を細めた浦原さんは、私に歩み寄ってずいと顔を覗き込んだ。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時