看板娘２３３ ページ38
皆と別れ、商店へと帰る。今日も一護は目を覚まさなかったなあ。ガラリと扉を開けて、駄菓子売り場を通り過ぎ自室へ入る。藍染との戦いは終わった。私達は勝ったのだ。百年前のあの夜を越えて、藍染を倒せたのだ。
浦原さんは、四十六室に夜一様達と共に呼ばれてここ数日空けている。冤罪だったのだから当然だ。正直今更四十六室にまともな意見など期待していないが。
(……案外、実感の湧かないものだな)
そもそも大して怪我はしていなかった。他の皆の方が余程重傷なのに、皆私を心配してくれた。真子やハッチ、浮竹隊長や京楽隊長なんかもだ。本当なら私も尸魂界にて浦原さん達と共に四十六室へ出向くべきだと思っていたが、皆が一護の側へいる事を許してくれた。それはルキアも同じだ。
これからどうするのだろう。尸魂界へ帰るんだろうか。私はどうすべきなのだろうか。……浦原さんのお傍に、まだいられるだろうか。
｢Aサン｣
｢……！浦原、さん｣
考え事に夢中で気づけなかったみたいだ。私の自室の窓に腰かけて、浦原さんが微笑む。スっと手を差し出して、浦原さんは言った。
｢少し、お付き合いいただけませんかね。尸魂界まで｣
その手を取って、すっかり日の暮れた空へ飛び出す。そのまま何も言わずに、尸魂界まで連れて行かれた。瀞霊廷にちゃんと入るのは、ルキアを助けに来た時以来だ。四十六室かどこかへ行くんだろうかと思っていたけれど、浦原さんはそのまま十二番隊隊舎まで歩いていった。
｢……浦原さん？｣
｢どーもォ、阿近サン。来ましたよん｣
浦原さんが扉に向かって言うと、大きな扉が音を立てて開いて阿近が出てくる。阿近は相変わらず気だるそうに、頭を掻きながら私達を中に入れた。
｢…隊長には内緒にしといてくれよ。アンタら入れたの知られたら面倒だ｣
｢ええ、勿論っス。行きましょ、Aサン｣
｢あ、う、浦原さん…？｣
真意の読めない顔で微笑んで、浦原さんは私の手を引く。阿近はさっさと背を向けて何処かに行ってしまった。建物の見た目や機械類は百年前とは変わってしまったけど、構造自体は変わらない。浦原さんが向かったのは、百年前のあの時、私や真子が運ばれた、浦原さんの研究室だった部屋だ。
足を止めた浦原さんは振り返って笑う。
｢……百年ぶりっスね。貴女とここに来るのは｣
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です！この作品とても好きです！浦原さんカッコイイです！！引き続きお話読めるの楽しみにしています！ (2022年9月5日 18時) (
レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、！！すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです！！応援してます！！！ (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2022年6月20日 19時
