看板娘231 ページ36
「浦原さん!」
歩く浦原さんの背を追って、声を張り上げる。私が瞬歩で追いつけるくらい浦原さんだって体力の消耗は激しいのだ。走り寄って身体を支えると、浦原さんは薄く微笑む。
「Aサン、もういいんスか?」
「ええ、全員安全な場所へ逃げてもらいました。皆一護と話したそうでしたけど…それと同じくらい話しかけづらそうでしたから」
「記憶はいじらなかったんスね」
「どの道もう彼等は死神が見えてしまうほど霊圧知覚を持ってます。隠す意味も無いですし……もう隠し事はしたくない」
そっスか、と浦原さんは優しく言う。遠くにある藍染の力はどんどん増していくように感じられて、浦原さんを支えながら向かう。漸く一護達の所へ辿り着いた時、ちょうど封印が発動した頃だった。
「浦原喜助……!!お前の仕業か…!」
藍染は浦原さんを強く睨みつける。その姿を見る限り、一護に苦戦を強いられているみたいだ。浦原さんはただ静かに返事をして、藍染を見つめる。藍染の半身は異形となりかけ、そして消えた。殻を割るみたいにして、藍染の半身は死神だった時のそれとなる。驚く藍染に浦原さんは告げた。
「崩玉はアナタを主とは認めないと言ってるんスよ」
藍染はそんな訳があるか、と唸って、そうして叫ぶ。浦原さんを蔑如する、と。霊王に従うこの世界を変えることをしないことに怒っていた。その姿がやっぱり、怒りながら泣いている子供みたいだと思った。
「涙掠Aほどの副官もいながら!!お前ほどの頭脳がありながら何故動かない!!」
お前はずっと、ずっと浦原さんが羨ましかったのかもしれないな。私なんかに執着していた理由も、きっとそうだろう。お前が諦めたりしなければ、一言本音を言ってくれれば、お前と浦原さんはいい友になれたはずなのに。
「……藍染」
「私は____」
その先の言葉は、封印架に呑まれて届く事は無かった。私はお前を許せないし、これからも大嫌いだけど、何だかやるせない。あァクソ、あの大莫迦野郎め。
「……淋しい、くらい素直に言え………莫迦者め」
その言葉に、返事が帰ってくる事は無かった。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時