看板娘226 ページ31
全速力で走って断界を抜ける。道中には拘突が居なかった。霊圧を見るに藍染が滅したのだろう。やつは崩玉と融合しているのだから、理を越える存在になったとて不思議なことでは無い。
「…恐ろしいやつめ」
お前が孤独な男だって気づかないと思うのか。孤独に耐えられないから神になろうとして、挙句私なんかに執着して。ちゃんとお前が歩み寄れば、理解してくれる人なんて幾らでもいたろうに。
浦原さんを妬むその気持ちは、まるで拗ねる子供だ。神になりたいだなんて子供じみた事を言うくせに、実現出来るに足る力があるのも厄介なものだな。
(私を理解できるのは君だけだ……か)
ばあか。そう悪態をついているうちに漸く穿界門を抜けて、本物の空座町へ降り立つ。道端で何人かがバタバタと死んでいた。おそらく霊圧知覚をもたない人間達だろうな、藍染に近づいて亡くなってしまったというところか。たつきや啓吾も、ドン・観音寺とかいう男の霊圧も感じる。瞬歩で移動して、彼らの前にダンっと降り立つ。
「たつき!啓吾!!」
「Aっ!?あんたその格好……!!」
「話は後だ…って、啓吾その刀は?」
「アフさんのだよ、向こうに倒れてたから…!ってかAさんも刀……」
アフさんと言うのは誰か知らないが、おそらく空座町在駐の死神だろう。だが素人に斬魄刀が使えるはずもないし…まあ後で私が返そう。走りながら私の事を不安そうな目で見つめるたつき達に微笑み言う。
「二人とも…ドン・観音寺も、この服や姿に見覚えがあるだろ。安心して、一護が来るまで、絶対護るから」
そう言って3人とともに路地裏に行くと、水色と千鶴が座り込んでいた。声をかければ、水色が淡々としながら食料だのスタンガンだのを差し出す。
「ムリだって、そんなもん効く相手じゃないんだから」
たつきがそれを諌める。そんな中、千鶴は放心状態になってしまっているらしい。説明するとなると長くなってしまうけど…たつきが口を開こうとした時、おぞましい霊圧が私達の背筋を舐める。
「……き………きた……っ」
「全員立て、逃げろ!!少しでも遠くに!」
そう言って走ろうとした時、藍染が私達の前に降り立った。咄嗟に全員を庇うように前に立つ。私達の居場所を探す真似事をやめただけだと笑う藍染。
「……下衆め」
一言吐き捨て、藍染を睨んだ。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時