看板娘２１９ ページ24
｢う、らはら、さん｣
随分と間抜けな声が出たな、と自分でも思う。それでも、それが気にならないくらい今の私は頭が動いていなかった。たった数日、されど数日。浦原さんと離れているのは思った以上に私を疲弊させていたらしい。まだ気を抜くわけに行かないのに、油断したらすぐにそうなってしまいそう。
｢…うらはら、さん。浦原さん……｣
｢はい。はい、Aサン｣
私がうわ言のようにそう繰り返す度に、律儀に返事を返す浦原さん。ぎゅっと抱えられた腕の力が強くなった気がした。物陰で、少し遠くの藍染達の霊圧を感じ取りながらただ浦原さんにしがみつく。一護の父上も来ているみたいだ。
｢……浦原さん、私との約束…守ってくれてありがとうございました｣
｢Aサンこそ。ボクが来るまで無事でいてくれて良かったっス｣
まあ結局待ちきれなくて迎えに来ちゃったんスけど、と笑う浦原さん。違う、私が約束を破ったのだ。浦原さんは約束通りに私が居なくなっても決して逸らずに自身の役目を果たしてくれていたのに、必ず貴方の元へ帰るって約束したのに、機を逃してしまった。こんなこと言ってもまた、言いくるめられてしまうのだろうけど。
｢……言い訳にしかなりませんが、私の心はいつだって貴方の元へあったつもりです。藍染に揺らがされたりなんて、一度もしていない｣
｢…分かってますよ。だから、アタシの我儘なんス。藍染サンには渡せないんスよ、どうしても｣
え、と顔を見上げれば、少しだけ憂いた影の差す笑顔で私の頬を撫ぜる浦原さん。そのままその骨ばった手は肩へ移動して、私の服を見つめた。しまった、今私は藍染のやつに渡されたもののまま…
｢…これは違いますよ。死覇装が破損したから……｣
｢ええ、分かってますよ。疑ったりなんかしてません、けど…とりあえず着替えましょ。時間はあまりないっスけど、手早く｣
そうして何処からか替えの死覇装を取り出し手渡す浦原さん。用意がいいなこの人は……パッと広げた感じ大きさも私のだし。そりゃ多少は推測できるだろうが、どうせ着たら気味悪いくらいピッタリなのだ。若干引く。見ないでください、と念を押して背を向けさせ浦原さんの背を見ながらババっと着替える。
｢…やっぱり、ぴったりじゃないですか……｣
ついた溜息と裏腹に、私は笑顔だった。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です！この作品とても好きです！浦原さんカッコイイです！！引き続きお話読めるの楽しみにしています！ (2022年9月5日 18時) (
レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、！！すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです！！応援してます！！！ (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2022年6月20日 19時
