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看板娘217 ページ22

「せーいかい。まあ気づいたところでどうなるもんでも無いんやけど」


「…一護は来るよ」


「知らへんわ、そんなん。ボクにはどうでもええ」


「…………東仙要はやられたぞ」


みたいやね、と尚も興味の無さげな返事。狛村と、東仙要の元副官…檜佐木だったかがやったらしい。けれどあの様子、特に檜佐木の方はなかなかに消耗している。救助に…?いや、それで市丸を動かしてはいけない。


「敗けてしもたんなら、藍染隊長がどうにかしはるよ」


その言葉通り、何やら2人と話しながら横たわる東仙要は、藍染の無慈悲な攻撃で跡形も無いままに殺された。藍染、と狛村が吼えたその時に、奴の背後の空間は裂ける。


__一護だ。


一護の月牙天衝は藍染の項を狙うが、そこに張られた盾に防がれる。一護の登場に藍染は心なしか嬉しそうだ。一護が来た以上、私も動かねば。


「お喋りはここまでだ、市丸」


「みたいやなァ。ボクも君の事足止めせんとダメみたいやし」


お互いに立ち上がり刀を抜く。と言っても、抜いていないのは市丸だけだったが。数秒の間の後、ガギン、と鈍い音がして耳を劈く金属音が響く。暫く一進一退の攻防が続く。切っ先を全力で払い、斬り込む。


「…お遊びに付き合うつもりは無いぞ」


「付き合ってもらわなマズイんちゃう?藍染隊長、いつ終わらせるか分からんよ」


ほら、と市丸が藍染達の方を指差す。警戒しつつ目を向ければ、冬獅郎が鏡花水月を遣う暇など与えねえと叫んで向かっていく。……冬獅郎…


「…あかんわ。あの人ら完全に、藍染隊長の"力"を履き違えてるわ」


「…!」


「君は気づいてるんちゃう?藍染隊長が怖いんは、鏡花水月を遣えるからやない」


市丸はその後も言葉を続ける。十刃が集団たり得たのは藍染が圧倒的に強いから、全ての能力が他の誰とも掛け離れていたからだと。何をどれだけ用心してみせようとも、藍染の力はその用心の遥か上にあると。


「ほんまは隊長達が束になろうが勝てへんの、分かってるんとちゃう」


市丸の言葉に、私は何も返さなかった。



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設定タグ:BLEACH , 浦原喜助   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時

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