看板娘215 ページ20
「ハッチ!砕蜂!!」
ダンっと降り立ち、二人に駆け寄る。希千代が俺は!?と言っていた。ごめん。でも希千代はまだ叫ぶ元気はあるみたい。息を切らす二人の方が先決だ。
「砕蜂もハッチも腕、出してくれ。私で悪いけど、腕は鈍っていないはずだから」
「…それなら、有昭田鉢玄を先に。私は後でいい」
「何言ってんだ、怪我の程度は二人とも似たようなものだよ。多少雑でも、早く二人同時に治療した方が…」
「優先事項を考えろ、A…私と其奴の能力でどちらが先に回復した方が良いか位解るだろう」
砕蜂はそう言って、くるりと背を向ける。確かにハッチの鬼道は先程の戦いしかり極めて有用だ。グッと唇を噛んで言葉を飲み込んだ。
「希千代、砕蜂を頼む。まだ全快じゃないんだ、藍染に備えて少しでも休ませてやってくれ」
「わ、分かってらあ!オメーに言われなくてもだっての!」
そう言って砕蜂の後を追った希千代を見送り、ハッチの治療を開始する。敵地のど真ん中でこんな事をするのも……とは思うが、藍染の様子からすれば今は真子と市丸の戦いを眺めているだけらしい。出来るところまででいい、回復を…!そうして治療を始め数分程で、藍染の静かな声が戦場に響いた。
「もういいよ、ギン」
___!くそ、まだ治療は終わっていないのに!
藍染は残った最後の十刃を斬り捨てて、私たちの前に立ち塞がる。ハッチ達と共に真子達のところへ行き、藍染と相対する。藍染は私が降り立つと、嘲笑うような目線を向けた。
「…迂闊に近づかんとけよ。藍染のあの能力や、考え無しに近付いたらその時点で終いやど」
「…わかっとるわ」
ひよ里は今にも飛び出しそうで、真子はそれを
「__何を恐れる事が有る?百年前のあの夜に、君達は既に死んでいるというのに」
その言葉でひよ里が飛び出す。真子と私が同時にひよ里っ!!!と叫ぶも虚しく、市丸の凶刃にひよ里の身体は二つに斬られた。それを追う事は真子に任せて、私は藍染達を睨みつける。
「…市丸……藍染……!!」
「……良いね、その眼だ。そのままその眼で私を見ているんだ、涙掠A。私を倒す為に、それだけの為に、その眼を貫くんだ」
藍染の言葉は、気味の悪い喜色に溢れていた。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時