看板娘211 ページ16
炎の中に閉じ込められて何分経っただろうか。霊圧の衝突は未だ各地で起こり続けていて、認めたくは無いが護廷十三隊が劣勢だ。
「……気分はどうだい?A」
「最悪、以外に用意する答えがあるのか」
睨みつけて言えば、ピクリと反応する男が一人。斬魄刀を私に向けて強く睨みつけてくる。
「涙掠A…貴様、藍染様に見初められておきながら無礼な」
「やる気か、東仙要。貴様の忠誠心など興味も無いが、主が見初めた女に手を出そうとは。よくもまあ正義だなんだと語れたものだ」
「貴様……!!」
「止すんだ、要、A」
藍染はこちらを見ぬままに私達を制止する。東仙要は歯を食いしばりながらも刀を収め、私は命令するなと舌打ちをした。今は何より、この壁が消えた後を考えなくては。
浦原さんはどうしているだろうか。藍染を迎え撃つならば、奴が最も油断する時でないといけない。奴はおそらく総隊長殿と並んで浦原さんを警戒しているはずだ。今現在死神側が不利なこの場ですら出てくるにはまだ疾い。けれどこのままじゃ、護廷十三隊は……
「…そろそろだね」
「!!」
藍染の言葉にバッと霊圧を探る。いや、探る間でもない。霊圧よりも先に、バキバキと嫌な音が聞こえた。空間を割いて、黒腔が開く音だ。見知らぬ霊圧は私達でなく、敵側の加勢だと否が応でも伝えてくる。
「なんだ……この霊圧……!」
他の破面よりも更に異質だ。不気味とも言い換えられるだろう。浦原さんのような研究者のお傍にいたからだろうか、これが何者かの作為を受けたものだとは何となく察しがついた。浮竹隊長と京楽隊長の霊圧が歪む程の強さらしい。
「…改造破面か……!」
「流石だね、その通り。今到着したワンダーワイスは、唯一の改造破面…山本元柳斎の炎を封じるために作ったものだ」
耳を劈く雄叫びが聞こえる。咆哮とも遠吠えとも言える声の後、私を覆った炎の壁が吹き飛ばされる。目をつぶって風圧に耐えると、左肩にどす、と音がした。
「…い…市丸……!」
「ちょーーっと、大人しくしとってなァ」
藍染はその光景を一瞥した後すぐに目をそらす。奴の刀が抜かれ、溢れる血を抑える為に右手で傷を抑えた。
「__厭な匂いやなァ、相変わらず」
「同感だな」
くだらないお喋りをして、奴らは一歩一歩消える炎の壁を通り越し歩いた。
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渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です!この作品とても好きです!浦原さんカッコイイです!!引き続きお話読めるの楽しみにしています! (2022年9月5日 18時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、!!すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです!!応援してます!!! (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2022年6月20日 19時