看板娘２０６− ページ11
藍染の副官章を斬り裂き、私を引き寄せて後ろへ置いた。かつて開発していた霊圧を完全遮断する外套を身に纏ったその背に酷く安心する。浦原さん、本当に来てくれた。浦原さん……後ろには大鬼道長の鉄裁もいる。鉄裁も一緒に来てくれたのか。
｢…ほう、これはまた…面白いお客様だ……何の御用ですか？浦原隊長、握菱大鬼道長｣
はー、はーと息を荒くしている私を一瞥し、藍染を睨みながら私の肩に触れる浦原さん。瞬間身体の自由が戻り、ふっと力が抜けて地面へ座り込む。
｢浦原、さ………げほ、げほっ｣
｢…スミマセン、遅くなりました…っ、Aサン、その目……｣
見上げて浦原さんと目を合わせると、浦原さんは険しい表情になる。…？目なんて自分じゃわからない。鉄裁がまるで虚…と呟いた。真子隊長達のようなことになってしまっているのか？でも…
｢…き……喜助…なんで…来たんや……アホが…｣
｢…何スかその趣味の悪い仮面は？｣
惚けたような浦原さんの答えに、強がりで笑う真子隊長。倒れるひよ里と、ボロボロの私を一瞥した浦原さんは藍染に向き直り問答を交わす。
｢これは『虚化』だ｣
｢…成程。やはり君は、思った通りの男だ｣
ぞわりと背筋を凍らせる霊圧。藍染は次に私と目を合わせる。
｢…今夜此処で逢えて良かった。次に逢う事があれば、良い返事を期待しておくよ｣
退くよ、と部下を連れ消えようとする藍染。巫山戯るな、逃がすか……！
｢も、勿愛……ッ！｣
勿愛を構えた瞬間、がくりと身体が重くなり全身の力が抜けた。鉄裁の放つ鬼道を気にする余裕もなく倒れ込む。がぼ、と気味の悪い音とともに蝋のような液体が顔を覆った。クソ、私にまで虚化が…！！意識の遠くで真子隊長の悲鳴も聞こえた気がした。
｢……っが……！！｣
｢Aサン！！平子サン！！｣
｢う、らはら……さ、ん……｣
私よりも真子隊長を、そういう前に鉄裁がこの状態のまま私達を隊舎まで運ぶと言った。時間停止と空間転位……どちらも禁術だ。もう声を上げる気力すら無く、私はされるがままに彼の手により隊舎へと運ばれた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 389人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渚(プロフ) - BLEACHに再熱した者です！この作品とても好きです！浦原さんカッコイイです！！引き続きお話読めるの楽しみにしています！ (2022年9月5日 18時) (
レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - はわ、、BLEACH再熱してしまってこの小説に辿り着いて刺さりすぎて徹夜で全て読んでしまいました、、、！！すごく好きです理想の浦原さんで泣きそうです！！応援してます！！！ (2022年6月21日 20時) (レス) id: 849b00c654 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し | 作成日時：2022年6月20日 19時
