７４話平常心 ページ34
外はザァーザァー降りの雨。
折角の休み時間なのに今日も花壇の世話ができず、本を読みあさっていた。
…遊び道具(おもちゃ)は論外だし、雨だから何処にも行けないし、食堂で暇つぶしに焼き菓子を作るにも"例の計画"のため節約はしたいのでやめておいた方がいい。
つまり、本しか選択肢がない。
「あ、そうだ。Aちゃん。」
平穏な時間が過ぎていく中、野坂がふいにとても穏やかな声で話しかけてきた。
無視をするわけにもいかないので返事をすると、一気に隣が明るくなった。
本来ならもう少し淡々とした性格をした野坂のあからさまな態度に、また『お願い』かと大体の察しがつく。
『お願い』…それは野坂が私にかしてくるほぼ強制の"頼みごと"。そして、私は野坂の『お願い(要求)』を呑まなければならない。いわば命令と言ってもいいだろう。
_なんせ私はこの関係が始まった時からずっと野坂悠馬という一人の子供に脅されてるから。
野坂がいつも親しく、嬉しそうに話すものだから、ついその事実が頭から消えかかってしまうけと、野坂と私は友達である以前に、そういう不気味な関係というのを忘れてはいけない。
そうではなければ、高校生だった頃いつも独りだった『私』がこんな察しの良い子供と一緒にいないだろう。
他人の事なんぞどうでもいいという酷い性格。余計に面倒なことになる前の予防として人と関わりをもたないそう決めている。
…うん、だから早く離れてほしいな。
まあともかく、いくら野坂とはいえその『お願い』の中に無理難題なものは存在しない。
(今度はなんだろうな…)
とにかく面倒にならない単純なものがいい。
そう思って野坂の次の言葉を待っていたが予想だにしてない言葉を返されてしまった。
「今度、サッカーの練習に付き合ってほしいんだ」
「…は？」
もじもじとしていた野坂の様子なんて見ることもできないで、ドクンドクンと早まる心臓を抑えていた。
『うるさいな！俺のことなんか放っておいてよっ！！ちーちゃんなんて、___っ！』
私が一番胸が痛くなるあの言葉がまた頭の中でうるさくリピートする。
疾うに終わったことだし、仲直りだってした。なのにどうしていつも私の中で燻り続けるんだろうか。
「…Aちゃん？」
不安そうに私を見つめていた野坂に笑顔で取り繕うも、彼は少し不満そうな顔をする。
深堀りしてほしくないので、早々に話を戻した。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
