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試合当日。昨夜ホームパーティー兼発表会(仮)を終えた白石は、会場である野生に着くまで風邪で休んだ日に入部していた土門の隣でぐっすり眠っていた。
イナズマキャラバンを降りた白石はぐっと背伸びをする。
先に降りていた風丸はそんな白石に声をかけた。
「試合前に寝て大丈夫なのか?」
『そっちの方がスッキリするし、全然大丈夫。…にしても、』
白石は辺りを見渡して『凄いな』と周りの木々に感心。円堂もそれに頷いて「こんなジャングルの中にあったんだ」と呆然としている。円堂と白石のいつも通りの関係に、風丸と染岡は心配なかったなとそっと笑い合った。
同伴してきた夏未はまさか会場がこんな自然の中にあると思っていなかったらしく、どうしてこんなところに、と頭を抱えていると、なにやら降車したばかりの車から音が聞こえてきた。
「な、なんなの?」
野生中の生徒だろうか。車体を噛んだり上で飛んだりバンパー開け閉めしたりと興味津々の様子。ジャングル生まれジャングル育ちと説明されても信じて疑わないような車への反応に、夏未は思わず呆れた声を出した。
そんあ春奈は小さなノート片手に「あ、あの人達ですよ!」と野生中生徒を指差す。
「野生中のサッカー部!」
『色んな意味で凄いなぁ』
「こんなのに負けられるかよ」
ーーー
雷門サッカー部がグラウンドに入れば、そこは野生中の応援で一杯。雷門は完全なアウェーで試合をすることになる。後輩影山の弟と友達が応援に来てくれているようだが、歓声的なことで言えば野生中には勝てやしない。
静かにストレッチを進めている白石のもとに、数人の女子生徒が駆け寄ってきた。
「あっ、あの!白石くんですよね?
応援してます!頑張ってください!」
『え、あぁ、ありがとう。』
戸惑いながらも笑って返せば、彼女達は小さな歓声をあげて帰っていく。
その制服は紛れもなく、今から戦う予定の野生中のものであった。
「人気でヤンスねぇ、白石さん!」
「流石ですよ!」
「お前、どんだけモテりゃ気が済むんだよ…」
『俺にヘイトを向けるのはやめてくれよ半田くん』
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
