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「豪炎寺。」



昼休みが始まって直ぐに、タイミングを見計らって円堂はやってきた。
呼ばれた豪炎寺は円堂に目をやり、前の席で本を読んでいた白石も自然と彼を見る。



「昨日ちゃんと自己紹介してなかったからさ。
俺、円堂守!サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー!」

「…」

「お前も入らないか!?
木戸川清修って、サッカーの名門だもんなぁ!」

『わ、ちょ』



白石と豪炎寺の席の間、狭いスペースに入り込んでくる円堂に白石は前のめりになると慌てて席を立った。「あ、悪い!」と謝る円堂に白石は『大丈夫大丈夫』と本を読むのを諦めて、彼の勧誘に耳を傾けることにする。



「どーりであのキック!凄いはずだぜ!!」



そう言って蹴りの真似をする円堂。豪炎寺はそんな彼から目を逸らした。



「ん?なんだよ?」

「……サッカーは、もう辞めたんだ」

「……辞めたって、どうして」

「俺に構うな」



誰でも分かるほどの拒否をされてしまうと、もう何も聞けなくなってしまう。
円堂は豪炎寺の一言で黙るが「円堂!」と半田から声がかかるとそちらに目を移した。



「冬海先生がお前を呼んでる。校長室に来いってさ」

「校長室?」

「大事な話があるらしい。……俺、嫌な予感がするんだ。例えば、廃部の話とか……」

「廃部ッ!?」



声を上げる円堂。白石は少し悩んでから『……俺もそんな噂聞いたな』と半田の言葉に付け加えるように一言。そして円堂に付き添っていた秋までも「私も……」と呟いた。
誰が言い出したかもどの様なルートを辿ってきたのかも分からない廃部の噂は、円堂以外の部員の耳には入っていたようだ。

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作者名:-naki- x他1人 | 作成日時:2018年5月28日 20時

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