イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ44)

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（４２）フットボールフロンティアページ44

尾刈斗中との練習試合を終えて、円堂率いる雷門中はフットボールフロンティア出場に望んでいた。

聖悟「…………」

『ついに日本にこの季節がやってきました！暑い夏より尚暑い！

全国中学サッカー界日本一を決める！フットボールフロンティアの季節だ！

全国の頂点に立つのはどこのチームなのか！しかし、その前に通らなければならない下問がある！
そう、予選を勝ち抜かなければならない。

そして予選を通過した14校と、推薦枠２校こそが、真の意味での王座を狙えるのだ！

さあ、その映えある予選第一戦の組み合わせは……おっと！強豪野生中だ。
対するは……なんと、今年初出場の雷門中！

これは一回戦から面白いことになってきたぞ！
さて、次なる第二戦は……』

ラジオをヘッドフォン越しに聞いていた少年は、途中で再生停止のボタンをタップした。

そんな彼、天空聖悟は登校中に通学路の住宅街を横切っている最中である。

聖悟「一回戦の相手が野生中か……」

ヘッドフォンのコードを巻き取り、鞄に押し込んで小脇に抱えたスケートボードを走らせた。

秋「あっ、天空くん。おは……」

通り過ぎようとした生徒の中に、サッカー部マネージャーの木野秋が聖悟に気付いて挨拶をする。

が、彼女は聖悟が視界に入った途端、絶句した。

聖悟「おー」

秋「えっと……何で、制服にカッターシャツじゃなくて黒いTシャツ？」

聖悟「首締まって気分が悪くなるからだけど、なに」

秋「あ……そう」

淡々と返された答えに、秋は言葉を見失った。

円堂「フットボールフロンティアー！」

変な空気になったところへ、サッカー部キャプテンのオレンジバンダナが上機嫌で校門をくぐってきた。

円堂「おはよう、木野！天空！」

秋「おはよう、円堂くん！」

聖悟「…………」

朝から上機嫌なのに関しては、別に自分には関係のないことなのでいいとしよう。

だが、この異様なテンションの高さには、正直煩わしいと思っている。

要は、とてつもなくうざったいのだ。

聖悟「朝からうるせー……」

秋「仕方ないよ。フットボールフロンティアが始まるんだもの！」

円堂に釣られて嬉しそうにする秋。サッカー好きなら尚更だろう。

聖悟「……いよいよ始まる。"あの人"の約束を果たすための出発点だ」

聖悟はそう呟いて胸元のペンダントを握り締めた。