【ジョジョ】海底の星空

星【３】 ページ3

救われない女は、きっと今も生きているのだろう。
何十年もの時が過ぎたのか、まだ数分の時すら過ぎていないのか。
深い海底では何も分からない。
だが、早死にはしていなかったと俺は思う。

愛しい夫の命の分も生きるという顧慮するのも馬鹿馬鹿しく思うほどの決心をしているに違いない。
あの女は。

そういうことが海の外で行われていたであろうに、ジョジョは何の興味もなさそうに眠っている。
と、言いたいところだがこの思想は多少の間違いが生じている。
この男は自分の結末に悲しんでいるか、愛する妻の人生の幸福を願っているのだろう。

きっと後者であろうが。

「エリナ、どうか君だけは、僕と同じ様な幕を閉じないでほしい。新しい愛を知って、幸福を掴みとってくれ。僕のために何かをしたいのならば、君自身が幸せになってくれ。僕にとって、それが一番の幸福なのだから」

などと、脳味噌が腐敗してしまいそうな言葉を吐くのであろう。
救いようがないのはエリナだけじゃない。ジョジョも同様であり、ジョースター家の一族全員がそうだろう。

否、そうなっていくのだろう。

今もって受け継がれる魂は、何時朽ちるのか。
答えは俺にある。



俺は、海底でしばらく寝た後、少し前のことを思い出した。
それは、とある実験のことだ。
この実験のおかげで、今の俺ができたのだが...

ちょいと前に行った実験、他の頭と胴体を合体させるもの。

例えば、イヌの胴体に人間の頭を合体させるとかだ。
これが成功したから、いざとなった時に自分にも使えるのではないかと思想を巡らすことができ、実際それは役立った。

では、ジョジョにも同じことをさせれるのだろうか。
否、人間でも首を刎ねても他の胴体と合体させて俺の血を流してやればアンデッドと化し、その胴体に相性が合っていれば立派な生命体ができあがる。

不可能か、可能か。

―――可能だ。

俺の血さえあれば、胴体とミスマッチするかどうかは別として少なからず生き返ることができるだろう。

ジョジョ、を生き返らせる...

ふむ。

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