伏見弓弦には『妹』がいるらしい

妹です４ ページ6

桃李｢それじゃあ行ってくるね！桃乃、A！｣









ばいば〜い♪と送迎の車に乗り込む坊ちゃま









弓弦｢…………それでは、留守は頼みましたよ｣









坊ちゃまの所作に顔をしかめながらも、わたしに留守を託す弓弦









貴｢お任せ下さいまし、お兄様。｣









わたしの返答に満足したのか、ふっと微笑み返す弓弦









……………可愛いんだよお馬鹿。









その後お嬢様に一礼し、弓弦も車に乗り込む









アイドル養成学校に通う弓弦と坊ちゃま









学院最強を誇る『ユニット』に所属する弓弦と坊ちゃま









2人が活躍し、名声を浴びるのは喜ばしいことだ









でも、









一体、弓弦のファンはどれほどいるのだろうか









弓弦に本気で好意を抱いている女性は、どれほど存在しているのだろうか









1年前の弓弦は違った









出席日数ぎりぎりの範囲で高校に通い、それ以外はずっとお屋敷にいた









…………別に、弓弦といる時間が短くなったからといって拗ねているわけではないけれど









夢ﾉ咲学院に通い始めて、弓弦は以前よりも生き生きしているし









…………ただ、









わたしの知らない弓弦がいる、ということが、何よりも悔しくて、何よりも寂しいだけだ









でも









貴｢お嬢様、お部屋に戻りましょう。そろそろ絵画の先生がお見えになる時間です。｣









今は仕事中だ

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