帰ってきた故郷(１) ページ16
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「ただいま〜！」
母「あら、おかえり、！言ってくれれば駅まで迎えに行ったのに」
「久しぶりにここら辺歩きたかったし荷物軽いから大丈夫だよ。」
約半年ぶりに故郷に帰った。
全くと言っていいほど変わってなくてものすごく懐かしい。
ド田舎だからどこを見渡しても田んぼしかないし、なんの代わり映えもないけど、「あぁ、帰ってきたなぁ」って感じがする。
「お父さんは？畑？」
母「うん。もうすぐ帰ってくると思うけど…」
「ちょっと手伝ってくるね。」
クラフトワークショップは全日大盛況で、当日券も含めて完売。
その分疲れたのは本当だけど、結局最後残しておいた一週間はほとんど誰とも会わずにゆっくり過ごせたから疲れはもうほとんど抜けきっていた。
むしろ仁兎くんとのやり取りが楽しくて、何度も読み返しては幸福感に浸ってたからむしろ元気いっぱいなくらい。
仁兎くんとのやり取りの内容はRa*bitsのメンバーの事が大部分を占めてるけど、たまに自分の事も話してくれる。
この間の後輩のライブでカメラマンを手伝った時は音響係に同じ学校の後輩だったTrickstarの遊木真くんがいたみたいで、久しぶりにアイドルとしてではないけれど一緒に仕事ができて楽しかったって言ってた。
今日の移動中も連絡はしていて、どうやら今日はKnightsの瀬名泉くんと買い物に行くんだって。
これちーちゃんに言ったら「その話、詳しく。」って言われそう。
「お父さん、ただいま。」
父「お、A！もう帰ってたのか！」
「うん。なんか手伝うことある？」
お父さんも変わってなくて安心する。
うちの家はお父さんがサラリーマンだった頃転勤族であちこちを転々としていたし、両親ともに東京出身の人だから住んでるのはド田舎でも方言はもってない。
父「じゃあそこに置いてある道具を軽トラに積んどいて」
「はあい、」
うちの家族は両親と私の3人。
兄弟、姉妹に憧れた時期もあったけど、今となっては一人だからこそ好き勝手やらせてもらえてたかなとも思う。
『おーい！A〜！』
「あ、みみちゃん！」
私の名前を呼びながら走ってくるのはこの地元で一番仲がいいみみちゃん。
あ、入学式のときに連絡してきたあの子ね。
ミコトだからみみちゃん。
みみ「帰ってくるなら言ってよ！」
「え？連絡したじゃん！」
みみ「時間だよ！迎えに行ったのに！」
みみちゃんは私のカレシなのか…？
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作者名：小野屋 | 作成日時：2020年5月28日 17時
