17.襲撃後 ページ28
藍染襲撃から一週間が経った頃、なんとか透助との仲もくみ直せた。
というよりあいつの場合次の日には忘れてすんごい満面の笑みで僕が負けたということを煽ってきやがった。むかついたから一発顔面に拳をお見舞いしてやったが。
「隊長ぉ…暇ですぅ」
「知らん」
机の上で伸びてる彼に一言ぴしゃりと言い放つと彼は苦笑いをしながら「相変わらずひでぇな」と言葉をこぼす。
監視が無くなり晴れて僕も自由の身に…なんてことはなくいつも通り現世の感じをしながら馬鹿みたいにうるさい副隊長の面倒とついでに隊員の様子を見る。普段と変わらない様子に安心しながらも何もやることがないという現状にどうしようかと頭を悩ませていた。
透助に一言声をかけて隊首室を出て適当に歩いていると独り言を話す井上さんがいた。
「Aちゃんだー!こんなところで何してるの?」
ぴょこぴょこと兎のように跳ねる井上さんに苦笑いをしながらヒラヒラと軽く手を振る。
すると彼女は右手をブンブンと効果音がつきそうなほど勢いよく振っていた。
「暇だったから散歩してただけだけど…」
「そうなんだ!あ!じゃあさ、一緒に朽木さんのところ行こうよ!」
「ん、い、いいけど…」
「やったぁ!!!」
あまりの喜び具合になんで朽木の元に?と言いたくなるが言葉を飲み込む。
そんなこんなで一緒にお話をしながら朽木のいる場所へと向かって歩く。
部屋を見つけたのかスキップをしながら前を行く彼女について行くように駆け足になる。
「朽木さーん!」
彼女の元気な呼び掛けとは裏腹に部屋を見ると部屋には彼女の姿が見当たらなかった。
「手分けして探そう」
「うん!」
僕の提案に首を縦に振ったのを見て場所を移動する為に駆け出した。
とは言っても…どうせ見つからなさそうだし十四番隊舎に戻ろうと思い無言で帰った。
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穿界門をくぐる彼らを見つめながらようやく今回の終わりが迎えられたと思った。
それと同時に疲れたなぁとようやく肩の荷がおりたと感じた。
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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2023年11月21日 23時