13.処刑の日 ページ21
「なーんで走るんだよっ!おま、俺より速いの知っててやってるだろ!こんの!」
瀞霊廷内の屋根を伝いながら双極の方へと向かう。
後ろで文句を言うやつがいるが無視だ無視。
ていうか遅いんだよ馬鹿。お前が遅いの知っててこっちは速度上げてるんだばーかと内心罵りながら後ろを見ずにそのまま走った。
「本当にいいんだね、透助」
「はい。俺は貴方に一生お慕えすると誓いましたから」
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「っ!これって」
「始まりましたね」
膨大な霊力を感じては目を開く。
そして急ぐ足を早めた。
少し走っていると燃え盛る赤色が見えた。
驚き足を止めると背後を走っていた透助が僕の背中に当たった
「痛っ!!なんで止まるんですか!」
「あれって…」
「総隊長…ですね」
総隊長の炎を見て処刑の阻止が出来たのだろうと思う。
ならば日番谷隊長に教えられた場所に行かなければと一層感じながら再び走り出した。
「あ!松本〜!」
「あら、綺突たちも来ていたのね」
後から来た日番谷隊長と松本さんをちらりと見てから門を見つめる
「Aが倒したのか?」
「いや、初めからいなかった」
「妙だな…」
警戒しながらも日番谷隊長が扉を押すといとも容易く開いた。
ゆっくりと歩きながら目の前の門を目指す。
日番谷隊長が扉に触ると内側から閉じられていることが分かった。
緊急時の面会について話すと防御がなされた。
不可思議な状況に四人揃って頭を悩ませる。
防衛がなされた扉と日番谷隊長が剣に手をかけたのを見て透助に一歩後ろに下がるように命ずる。
すると彼は扉と鋼ごと切った。
「中央四十六室の扉ですよ。こんなことして…」
「警報が鳴らない」
「え?」
「扉をぶち破ったのに警報が鳴らない」
「誰かが警備を倒して正面突破で此処に入った。さらに扉に鍵をかけて僕らのような者が来ても警報がならないように仕組んだ…ってことだよね?」
「ああ」
僕の説明に日番谷隊長は小さく同意の言葉をこぼした。
嫌な予感を察知したのか日番谷隊長は走り出しそれに連なるように乱菊さんと僕、透助も走り出す。
長い長い階段を駆け抜けた先にある四十六室を見ては息を呑む。
「な、なんだコイツは…どういうことだ」
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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2023年11月21日 23時