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「涅隊長と戦ってる彼は君を死なせない為に、戦いに巻き込まない為に君を逃がした。
なのに君が交戦に行ってなにか意味があるの？彼の意志を無駄にしに行くだけだよ」
僕が言葉を伝えると少女は口を閉ざして下を向く。
その光景になんとか行こうとする思考を止められただろうと思い刀を離しては鞘に収める。
「そんな…石田くん…私を助ける為に…」
「いいじゃん、守られてて。君が苦しむ姿なんて見たくないんだろうね。」
膝を着いては悲しそうに言葉を零す彼女に合わせるように屈む。
この子は本当に優しい子なのだろう。優しいからこそ戦いに向かない。でも仲間を想えるほどの子なのかと思う。
「そんな気に病まないでよ。それに友人を信じるのも友人の役目でしょ？」
「うん…うん！そうだよね！」
何やら元気になった彼女は立ち上がっては笑顔で返事をした。
しかし、彼女はなにか誤解をしてるのかもと思いながら彼女の腕を掴んだ。
「戦わなくていいかもしれないけど君は僕らからしたら旅禍だからね。騒動が落ち着くまで君には十四番隊の牢屋に居てもらうね？」
優しく微笑みながら言うと彼女は理解出来ていないのか頭の上にハテナを浮かべていた。
「ん？もう一回言ってあげようか？」
更に笑みを深めると彼女はカタカタと震え出した。
「と言ってもまぁ、直ぐには捕まえないよ。君自身も話し相手もいなくなってつまらなくしまうと思うからね」
手を離して笑みを落として目を瞑りながら言う。
本当に僕が彼女を見つけられて良かった。
「てことだから夜が明けるぐらいまでなら話し相手になってあげる」
「いいの？本当に！？」
彼女の健気な反応に幼い子供みたいだと思いながら手をさし伸ばす。
「勿論。でも、夜景がもう少し綺麗に見れる場所で話そう。ここだと巻き込まれちゃうかもしれないし」
恐る恐るといった様子で腕を伸ばす彼女の手を優しく握ては瞬歩を使って場所を移動する。
先程よりも少し高い場所に移動すると冷たい風が頬を撫でる。
「落ちないでね。落ちたら大怪我になるんだから」
「大丈夫！私バランス感覚いいから！」
大丈夫だと言った瞬間片足立ちしだす彼女に苦笑いしながらその光景を見つめる。
わたわたとバランスが崩れかけているのを見て慌てて手を伸ばす。
落ちそうになったところを何とか腕を掴んで阻止できてひとまず安心する。
「言わんこっちゃない…危ないんだから辞めてね」
「えへへ…バランス感覚には自信あったのになぁ…」
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2023年11月21日 23時
