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荷物を詰め込み いよいよキャラバンでの旅がスタートした
早速財前総理がエイリア学園によって襲撃されたという奈良へ向かう
窓側の席に座りたくて周りを見回してみてもどこも空いていなかった
さすがに誰かに席を譲ってもらうのは気が引けて、
隣が開いているゴーグルをかけた彼の隣に座ることにした
「隣、いいかな?」
と笑顔を作って声をかけると一瞬目を合わせたもののすぐに逸らして ああ とだけ言って私を通してくれた
感じ悪いなぁ と思いながらも彼が話しかけてこないのであれば私も自分自身を作る必要はないのだと気付き多少気が軽くなったような気がした
席について一息つき外を眺めていると、隣から声をかけられた
「そういえば自己紹介がまだだったな。
俺は鬼道 有人だ。よろしく頼む」
すると通路挟んで隣からも
「あぁっ お兄ちゃんだけずるい!
私は音無 春奈です。よろしくお願いしますねっ」
と明るい声が聞こえてきた
兄妹なのに名字が違うことに疑問を覚えつつも自身が孤児院出身であることもあり特に気にすることもなく、そのことを尋ねようともしなかった
お兄さんの方は何でも見通しそうな眼をしているし、妹さんの方は常に話しかけてきそうな気がして
座る場所を間違えたな と後悔したがそんなことが表情に出ぬようしっかり笑顔を作り よろしくね と2人に声をかけた
鬼道くんと音無ちゃんが私に自己紹介したことでほかの周りのメンバーも気が付いたのか奈良に着くまでの間それぞれの自己紹介大会が始まった
みんなの自己紹介を聞いて正直キャプテンの円堂くんは苦手だと思った
彼は私と正反対すぎる
私にはまぶしすぎる存在だと自己紹介を聞いただけで感じてしまった
表裏のないそのキラキラと輝く笑顔を見て
私の心はキュッと締め付けられた
これからこのキャプテンと共に歩んでいくことに大きな不安を感じながらも
もしかしたら本当の自分に出会えるのではないか、自分は変われるんじゃないかという少しの期待も感じた
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作者名:なついろ | 作成日時:2020年2月26日 4時