お世話２１日目 ページ22
世の中には「お邪魔虫」という言葉がある
意味は、その人がいるだけで空気が悪くなったり、
恋人や仲のいい男女が二人でいる場所に
居ついてしまう無神経な人
まあ、「空気の読めない人」とも
言えるであろう性格
それが、
切原赤也だ
「白石さんに不二さん…
あの二人、ぜってー何か隠してるよな。」
切原はドアノブに手を回し、
ゆっくりと扉を開ける
「誰もいなくねえか？」
人の気配はしない
ここで終わりにすればよい
だけど、１度入ってしまうと
自分の目で確かめなくては気が済まない
息を殺し、
そっとベットの方を覗くと
ガンッ!!!
「っ!！」
突然目の前に
ガラスで作られた重石が
壁に当たった
「危ないじゃないか。
それは投げるものじゃないだろう？」
「るせー！来んな変態幸村！！
あっち行け！！」
「変態？
君の言う変態は、随分と範囲が広いね。」
「いいから来んなつってんだろ？！
あっち行け！！」
皐は近くにあったクッションを投げると、
出入り口の廊下へと歩いてきた
赤也は慌てて言い訳を言おうとしたが、
口を塞がれてそのまま廊下に出される
「お前の部屋って、たしかここだよな？！」
赤也が頷くと
扉を開けて部屋に入った
部屋に入れば、口を塞いでいた手が離れ
皐はベットにダイブ
「皐さん何してんスか！」
「変態幸村との戦争だ。」
「変態幸村…？
部長がなにかしたんスか？」
先程までまるで屍のように横たわっていた皐が
ベットから起き上がると赤也の前に座る
そして赤也は、ある事に気づく
「………皐さん、
ボタンちゃんと留めてください。」
「あ、ごめん。」
呑気な皐は何も気にしない
ボタンを留め直して話を戻す
「幸村が余りにも嫉妬深いからさあ、
なんつーか、半分襲わ」
「丸井か赤也いるかい？」
扉がノックされて
二人は慌てふためく
皐は隣にあったクローゼットに飛び込む
「丸井？
……何だ、だれかの気配が
したと思ったんだけど。」
幸村は部屋に入り、
人がいないかを確かめ始める
クローゼットの前を通り過ぎ、
脱衣所へと足音は向かった
「…なんでお前まで一緒にいんだよ！」
「仕方ないじゃないスか！
俺、嘘とか苦手なんスよ…」
どさくさに紛れ、赤也も入り
クローゼットはギュウギュウ詰めだ
「絶対に見つかりたくない…。」
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年8月28日 20時
