【あんスタ】メ イ ド 戦 争【朱桜司】

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ああ、私がこんなに悩んできたことをーーーこの人はこんな簡単に解決してしまうんだな。


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「迎えにくるのが遅くなってすみません。この先は、絶対にあなたを手放さないと約束します」


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彼は、私の両手を握って指を絡める。
…そして、今まで見た中で1番優しく、少し照れたように笑いながらこう言った。


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「私と結婚してください」


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ーーー 本当は、ずっと好きだった。
初恋の人だった。
叶わない恋だって、そう思ってた。


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何度も夢みては、別の人が隣にいる未来しか見えなくて、考えないようにしてきた。


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こんなにも悩んできたのに、坊っちゃまの言葉で嘘みたいに解決していく。


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「なんで泣くんですか」

『だってぇ…っ』


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再び溢れ出してきた涙を、彼の指先が優しく拭いとる。
声が詰まるけれど、返事をしたくて、しっかりと目をみて向き合う。


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もう、自分の身分や性格を考えてうじうじ悩むのはやめてしまおう。


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『司さま、愛しています。よろしくお願いします』


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息をのむ声が聞こえて、また抱きしめられる。


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これから、きっと大変なこともたくさんあるだろう。
でも、…坊っちゃまとなら、どんなことでも乗り越えて行ける気がする。


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顔を上げた彼と目が合うと、やさしいキスの雨が降った。


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